icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻10号

2014年09月発行

文献概要

増刊号 超音波×病理 対比アトラス 7章 消化管

3 胃癌(3型の進行癌)―80歳代男性

著者: 手島伸一12 鈴木由美1 前田守3

所属機関: 1同愛記念病院研究検査科 2湘南鎌倉総合病院病理診断部 3同愛記念病院外科

ページ範囲:P.1135 - P.1138

文献購入ページに移動
症例の概要

 80歳代,男性.食思不振,嘔吐,体重減少で受診した.超音波検査では胃幽門部の34×33mmの胃壁の腫瘤を認め,幽門部狭窄による内腔の拡張と多量の食物残渣がみられた.固有筋層と等エコーで粘膜下腫瘍,特にGIST(gastrointestinal stromal tumor,胃腸管間質腫瘍)が疑われた.胃生検では腫瘍細胞が得られなかったが,その後の内視鏡下穿刺吸引細胞診で腺癌細胞がみられ,胃癌の診断のもとに幽門側胃切除が行われた.

◎病理診断

 3型胃癌,中分化管状腺癌,35×30mm,SS(壁深達度が固有筋層を越えているが漿膜下組織にとどまるpT3),int(癌の間質量が中間にあるもの),INFb(浸潤増殖状態が中間にあるもの),ly1(リンパ管侵襲が軽度),v1(静脈侵襲が軽度),N0(リンパ節転移を認めない0/4),PM0(近位断端に癌浸潤を認めない),DM0(遠位断端に癌浸潤を認めない),幽門側胃切除標本.

参考文献

1)下田忠和:胃の病変.笠原正典,石倉浩,佐藤昇志(編):器官病理学,第14版.南山堂,pp413-449,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら