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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 7章 消化管
3 胃癌(3型の進行癌)―80歳代男性
著者: 手島伸一12 鈴木由美1 前田守3
所属機関: 1同愛記念病院研究検査科 2湘南鎌倉総合病院病理診断部 3同愛記念病院外科
ページ範囲:P.1135 - P.1138
文献購入ページに移動80歳代,男性.食思不振,嘔吐,体重減少で受診した.超音波検査では胃幽門部の34×33mmの胃壁の腫瘤を認め,幽門部狭窄による内腔の拡張と多量の食物残渣がみられた.固有筋層と等エコーで粘膜下腫瘍,特にGIST(gastrointestinal stromal tumor,胃腸管間質腫瘍)が疑われた.胃生検では腫瘍細胞が得られなかったが,その後の内視鏡下穿刺吸引細胞診で腺癌細胞がみられ,胃癌の診断のもとに幽門側胃切除が行われた.
◎病理診断
3型胃癌,中分化管状腺癌,35×30mm,SS(壁深達度が固有筋層を越えているが漿膜下組織にとどまるpT3),int(癌の間質量が中間にあるもの),INFb(浸潤増殖状態が中間にあるもの),ly1(リンパ管侵襲が軽度),v1(静脈侵襲が軽度),N0(リンパ節転移を認めない0/4),PM0(近位断端に癌浸潤を認めない),DM0(遠位断端に癌浸潤を認めない),幽門側胃切除標本.
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