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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 8章 腎・泌尿器
1 腎盂腫瘍―70歳代男性
著者: 渡辺光人1 平野美和2 手島伸一13
所属機関: 1同愛記念病院研究検査科 2同愛記念病院泌尿器科 3湘南鎌倉総合病院病理診断部
ページ範囲:P.1152 - P.1154
文献購入ページに移動70歳代,男性.右側腹部痛を主訴に来院.超音波検査や順行性腎盂造影で右腎盂癌が指摘され,カテーテル尿で尿路上皮癌と診断された.手術材料では,右腎盂下部から腎盂尿管移行部に展開後で6.5×3cmの乳頭状で広基性隆起性の腫瘍が認められた.組織学的には高異型度(旧規約分類ではG3)の尿路上皮癌である.乳頭状の部のみでなく,拡張した腎盂粘膜から腎実質へと癌巣が浸潤していた.術後12カ月後に浸潤性の膀胱癌が診断された.
◎病理診断
右腎盂癌,浸潤性尿路上皮癌,高異型度(G3),乳頭状(広基性),6.5×3cm,ly1,v1(リンパ管や静脈侵襲がみられる),INFb(癌巣の発育進展状態がINFaとINFcの中間にあたる),pT3(腎実質に浸潤),N0(所属リンパ節転移なし),M0(遠隔転移なし),右腎尿管全摘標本
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