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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 8章 腎・泌尿器
5 集合管癌―50歳代男性
著者: 星野夏那1 森水文2 熊谷二朗1
所属機関: 1横浜市立みなと赤十字病院検査部病理 2横浜市立みなと赤十字病院検査部生理
ページ範囲:P.1164 - P.1166
文献購入ページに移動51歳,男性.検診超音波検査にて左腎下極の腫瘍を指摘され来院した.来院後の超音波検査では,腫瘍は等~低エコーを呈するが,境界が不明瞭であり,その範囲がはっきりしなかった.左腎は著しく腫大する所見が際立ち,その中心部エコーが消失していたが,腎臓の外形は比較的保たれていた.左腎摘出術を施行,術後の病理検査で著しい腎実質浸潤,および下大静脈に腫瘍塞栓を形成するほどの強い血管侵襲を伴った集合管癌と診断された.術後2年で多発肝転移および腹水貯留の形で再発した.
再発時の腹水は血性で,細胞診標本では炎症性背景に乳頭状で不規則な配列と重積性を示す腫瘍細胞集塊が出現していた.腫瘍細胞はライトグリーン淡染性の広い細胞質を有し,核腫大や核の大小不同および大型明瞭な核小体を伴っていた.
再発から4ヶ月後に肝,骨,多発リンパ節転移と腹水コントロール不良による全身状態の悪化により死亡した.
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