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副腎皮質腺腫(原発性アルドステロン症)
著者: 手島伸一12 鈴木由美2 岸宏久2 平野美和3
所属機関: 1湘南鎌倉総合病院病理診断部 2同愛記念病院研究検査科 3同愛記念病院泌尿器科
ページ範囲:P.1245 - P.1245
文献購入ページに移動71歳女性.健診で高血圧と左肺の陰影を指摘され,その後の精査で左副腎腫瘍が見つかった.肺の陰影は炎症の陳旧性変化であった.超音波では左副腎付近に径19mmの類円形腫瘤を認めた.辺縁はスムース,内部は低エコー均一で,左副腎の腺腫が疑われた.採血ではアルドステロン222.0pg/mL(正常値 130pg/mL以下),コルチゾール20.6μg/dL(5.0~15.0μg/dL)であった.副腎静脈血の定量では,アルドステロンの最大値は26,300.0pg/mL,アドレナリン2,004.0pg/mL,ノルアドレナリン812.0pg/mLを示した.原発性アルドステロン症を伴う左副腎皮質腺腫との診断にて,左副腎摘出術が行われた.病理学的には40×15×15mmの左副腎に22×15×10mmの充実性腫瘍がみられ,割面の大部分は鮮明な黄金色を呈していたが,一部で黒褐色部もみられた.顕微鏡的には,黄金色を呈する部に一致して淡明な細胞質を有する腫瘍細胞が増生しているが,黒褐色の部では好酸性の細胞質を有する緻密細胞の増生がみられた.辺縁には委縮した皮質と過形成性の皮質の部が認められた.
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