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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻12号

2014年11月発行

文献概要

病気のはなし

多発性キャッスルマン病

著者: 田丸淳一1 藤野智史1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター病理部

ページ範囲:P.1280 - P.1284

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Point

●キャッスルマン病(CD)は発熱などの炎症症状を伴うリンパ増殖性疾患であり,リンパ節病変が局在性キャッスルマン病(LCD)のものと多発性/多中心性キャッスルマン病(MCD)に発生する症例がある.

●病理組織像は,LCDでは硝子血管(HV)型が,MCDでは形質細胞(PC)型やそれらの混合型が多い.

●LCDは病変を取り除くことで予後は良好であるが,MCDは進行性疾患であり,その予後は決してよいものではない.MCDではIL-6がその病態形成に関与していることが明らかにされ,現在は抗IL-6レセプター抗体の治療適応となっている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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