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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻12号

2014年11月発行

文献概要

技術講座 病理

—step up編—肺癌における分子病理診断—個別化医療への応用

著者: 酒井康裕1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院病理診断科

ページ範囲:P.1298 - P.1307

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Point

●上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異検査は,肺癌へのEGFR阻害剤投与の適否を決める判断材料となる.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を基盤として,EGFR阻害剤の高感受性あるいは耐性を示す変異パターンを検索する.

●肺癌における未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子の検査方法として,免疫染色(IHC)法,細胞内分子雑種形成蛍光検出(FISH)法,逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法がある.陽性の場合,ALK阻害剤の投与が検討される.

●検査目的は1つでも,各検査の原理を理解すると,それぞれ異なる対象を検出しているのがわかる.各検査法の利点,欠点を知っておかなければならない.

参考文献

1)日本肺癌学会バイオマーカー委員会(編):肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異検査の手引き.(http://www.haigan.gr.jp/uploads/photos/810.pdf)
2)Pao W, Ladanyi M : Epidermal growth factor receptor mutation testing in lung cancer : searching for the ideal method. Clin Cancer Res 13:4954-4955,2007
3)Lindeman NI, Cagle PT, Beasley MB, et al : Molecular testing guideline for selection of lung cancer patients for EGFR and ALK tyrosine kinase inhibitors : guideline from the College of American Pathologists, International Association for the Study of Lung Cancer, and Association for Molecular Pathology. J Thorac Oncol 8:823-859,2013
4)日本肺癌学会バイオマーカー委員会(編):肺癌患者におけるALK遺伝子検査の手引き.(http://www.haigan.gr.jp/uploads/photos/366.pdf)
5)竹内賢吾:1.腫瘍のコンパニオン診断 b.ALK.「病理と臨床」常任編集委員会(編):免疫組織化学 診断と治療選択の指針,病理と臨 32(臨時増刊号):379-383,2014
6)Tsao MS, Hirsch FR, Yatabe Y (eds) : IASLC Atlas of ALK testing in lung cancer. IASLC Press, Colorado, 2013
7)Nordic Immunohistochemical Quality Control (ed) : Recommended ALK protocols.(http://www.nordiqc.org/Run-39-B16-H4/Assessment/Run39_ALK.pdf)
8)日本肺癌学会(編):肺癌診療ガイドライン 分子診断(2013年版).(http://www.haigan.gr.jp/uploads/photos/780.pdf)
9)金井弥栄,石川俊平,池田栄二(編):病理診断に役立つ分子生物学,病理と臨 29(臨時増刊号),2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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