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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻12号

2014年11月発行

過去問deセルフチェック!

解答と解説

ページ範囲:P.1327 - P.1327

文献概要

 LD(EC1.1.1.27)は解糖系の最終段階において,ピルビン酸と乳酸を触媒する酵素である.補酵素はNAD,分子量約14万,H(B)およびM(A)の2種のサブユニットからなる4量体である.臓器分布は腎臓,骨格筋,肝臓,心筋など広く分布し,各臓器の細胞障害を反映する逸脱酵素である.さらに,電気泳動像では5つのアイソザイムが検出され,臓器の特定に役立つ.特に,LDアイソザイム1,2型優位パターンとして,心筋梗塞,溶血性貧血,5型優位パターンとして急性肝炎,肝細胞癌などがある.

 測定法は乳酸基質法(pH8.8)が常用基準法となり,NADHの増加を340nmで測定する.生理的な変動として,新生児・乳児から学童期くらいまでは活性値が高く,また激しい運動後に上昇し,数日間高値を示す.検体の安定性は,低温失活(特にLD4,LD5)があるため冷蔵保存は避けること,溶血の影響を強く受けるので注意を要することが挙げられる.基準値は,LD総活性120〜220U/L(JSCC標準化対応法,学生用),LDアイソザイムLD-1:20.0〜31.0%,LD-2:28.8〜37.0%,LD-3:21.5〜27.6%,LD-4:6.3〜12.4%,LD-5:5.4〜13.2%(電気泳動法)となる.臨床的にはLDアイソザイムパターンとLD/AST比を組み合せると,原因となる由来組織の究明や疾患の推定に役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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