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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻12号

2014年11月発行

文献概要

Q&A 読者質問箱

なぜ,HbA1cは鉄欠乏状態では高めに出て,鉄欠乏性貧血回復期では低めに出るのですか? 一般的な貧血ではどうですか? 理由も含めて教えてください.

著者: 小野佳一1 蔵野信1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1340 - P.1341

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Q なぜ,HbA1cは鉄欠乏状態では高めに出て,鉄欠乏性貧血回復期では低めに出るのですか?

一般的な貧血ではどうですか? 理由も含めて教えてください.

A ヘモグロビンA1c(hemoglobin A1c:HbA1c)値は,過去1カ月間の血糖値が50%,それ以前の血糖値が残りの50%寄与していることによって,過去1〜2カ月の血糖コントロールの指標として,また,“慢性”高血糖状態を定義とする糖尿病の診断基準の1つとして用いられています.ただし,その値の解釈には,HbA1c値は赤血球の平均寿命の影響を受けるため,赤血球寿命が変わる病態においては血糖コントロールを反映しないこと,劇症1型糖尿病のような急激に血糖が悪化する病態においては患者の現在の状態の血糖値ほど上昇しないことなど,注意を要する場合があります.

参考文献

1)Gallagher EJ, Le Roith D, Bloomgarden Z : Review of hemoglobin A(1c) in the management of diabetes. J Diabetes 1:9-17,2009
2)Koga M, Morita S, Saito H, et al : Association of erythrocyte indices with glycated haemoglobin in pre-menopausal women. Diabet Med 24:843-847,2007
3)富永真琴:ヘモグロビンA1c値と血糖値の乖離.検と技 32:515-518,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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