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膵神経内分泌腫瘍(膵島腫瘍)
著者: 高平雅和1 鈴木由美1 岸宏久1 前田守2 手島伸一13
所属機関: 1同愛記念病院研究検査科 2同愛記念病院泌尿器科 3湘南鎌倉総合病院病理診断部
ページ範囲:P.1363 - P.1363
文献購入ページに移動60歳代後半,女性.以前より逆流性食道炎にて当院通院中であったが,精査の腹部超音波にて膵腫瘍を指摘される.膵体部の径19.7mmの球形の低エコー腫瘤で,周囲との境界は明瞭,膵の腫大や膵管の拡張はみられない(図1).血清インスリンやグルカゴンなどの膵ホルモン値は正常範囲であった.非機能性の膵神経内分泌腫瘍の診断で,膵体尾部切除がなされた.病理学的には,膵体部に23×18×18mmの境界明瞭な白色から黄色を呈する充実性分葉状の腫瘍をみる(図2,3).腫瘍細胞は小型〜中等大の立方形を呈し,索状,一部で管状,腺房状の配列を示している.核は小型で比較的そろっている(図4).核分裂は乏しく,Ki67標識率は1%以下である.グリメリウス好銀反応で内分泌顆粒が証明され(図5),免疫組織学的にシナプトフィジンとクロモグラニンの神経内分泌マーカーが陽性を示した(図6).インスリンやその他の膵ホルモンは免疫組織学的に陰性であった.
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