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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻3号

2014年03月発行

文献概要

今月の表紙

浸潤性小葉癌

著者: 森谷卓也1 山本裕2

所属機関: 1川崎医科大学病理学2 2川崎医科大学乳腺甲状腺外科

ページ範囲:P.231 - P.231

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【症例の概要】

 50歳代,女性.乳房腫瘤を自覚し来院.超音波検査で左乳房に充実性の低エコー腫瘤を認めた(図1).縦横比が大きく,境界部は不明瞭で,前方境界線は断裂しており,haloを伴っていた.後方エコーは減弱し,カテゴリー5とされた.エラストグラフィでは低エコー域全体に青色調が目立ち,歪みはみられなかった(図2).針生検で浸潤性小葉癌と診断され,乳房摘出術が施行された.肉眼的には,乳腺実質~脂肪織内に境界が不明瞭かつ充実性の,やや透明感を有する腫瘤がみられた(図3).組織学的には,脂肪組織を巻き込むように浸潤する58mm以下の多発癌で(図4),豊富な間質内に均質な癌細胞が細い索状胞巣を形成していた(図5).癌細胞相互の結合性はやや緩く,細胞質内に粘液産生もみられた.癌細胞はエストロゲン受容体・プロゲステロン受容体が陽性で,HER2は陰性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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