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連載 小児の臨床検査・1【新連載】
本連載の開始にあたって
著者: 河合忠1
所属機関: 1国際臨床病理センター
ページ範囲:P.324 - P.328
文献購入ページに移動はじめに
本連載のタイトルは「小児の臨床検査」であるが,まず,臨床検査の対象となる“小児”について正しい理解をしておく必要がある.一般的には,“こども”“子供”などと同義語に用いられることが多いが,母子保健法,児童福祉法,学校保健法で用いられている年齢別区分による分類をまとめると,表1のとおりである.
一般的に,医療機関の小児科診療の対象となるのは乳幼児,児童であるが,国立成育医療研究センターなどのような高度医療機関では,妊婦・胎児医療,周産期医療(新生児を含む),小児医療,思春期医療などと区分していることがある.本稿では,特に言及しない限り,乳幼児,児童を含む小児について述べる.
小児の診療において,臨床検査に関連して特に問題となるのは,患児への対面,検体採取,および年齢別基準値の設定である.測定法は原則として成人とほぼ同じであり,可能な限り,微量の検体による測定操作法や(無)微侵襲の測定法を採用するが,小児に特有な検査結果の判定が求められる場合もある.それらについての詳細は,本連載の今後の各回を参照されたい.
本連載のタイトルは「小児の臨床検査」であるが,まず,臨床検査の対象となる“小児”について正しい理解をしておく必要がある.一般的には,“こども”“子供”などと同義語に用いられることが多いが,母子保健法,児童福祉法,学校保健法で用いられている年齢別区分による分類をまとめると,表1のとおりである.
一般的に,医療機関の小児科診療の対象となるのは乳幼児,児童であるが,国立成育医療研究センターなどのような高度医療機関では,妊婦・胎児医療,周産期医療(新生児を含む),小児医療,思春期医療などと区分していることがある.本稿では,特に言及しない限り,乳幼児,児童を含む小児について述べる.
小児の診療において,臨床検査に関連して特に問題となるのは,患児への対面,検体採取,および年齢別基準値の設定である.測定法は原則として成人とほぼ同じであり,可能な限り,微量の検体による測定操作法や(無)微侵襲の測定法を採用するが,小児に特有な検査結果の判定が求められる場合もある.それらについての詳細は,本連載の今後の各回を参照されたい.
参考文献
1)清水俊明:小児の特性.日本医師会(編):小児・思春期診療最新マニュアル.中山書店,pp S28-30,2012
2)篠原治:小児科における検査計画(検査の特徴).高久史麿(監修),黒川清,春日雅人,北村聖(編):臨床検査データブック2013-2014.医学書院,pp81-83,2013
3)日本臨床検査標準協議会(編):標準採血法ガイドライン GP4-A2.日本臨床検査標準協議会,2011
4)NCCLS(現・CLSI)Document C28-A, How to Define Reference Intervals in Clinical Laboratory; Approved Guideline. 1995(最新版:CLSI Document EP28-A3c, Defining, Establishing, and Verifying Reference Intervals in the Clinical Laboratory - Third Edition,2013)
5)小児基準値研究班(編):日本人小児の臨床検査基準値.(財)日本公衆衛生協会,1996
6)黒川清,春日雅人,北村聖(編):臨床検査データブック2013-2014.付録:日本人小児の臨床検査基準値.医学書院,pp910-921,2013
7)田中敏章,山下敦,市原清志:潜在基準値抽出法による小児臨床検査基準範囲の設定.日小児会誌 112:1117-1132,2008
8)日本医師会/臨床検査精度管理検討委員会(編):平成24年度(第46回)臨床検査精度管理調査結果報告書.日本医師会,2013
9)日本臨床検査医学会/標準委員会:学生用共通基準範囲の考え方と利用時の留意事項.臨床病理 59:400-407,2011
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