検査と技術42巻7号

2014年07月発行

連載 小児の臨床検査・4

小児のウイルス感染症検査

著者： 鹿間芳明¹

所属機関： ¹神奈川県立こども医療センター感染免疫科

ページ範囲：P.676 - P.680

はじめに

　人間は生まれてから成人に達するまでの間にさまざまな病原体に感染し，それぞれの病原体に対する特異免疫を獲得していく．したがって，小児期は感染症，とりわけウイルス感染症の罹患頻度が高い．小児の発熱や発疹などの鑑別において，また，小児病棟の院内感染対策において，ウイルス関連検査の重要性は成人に比べてはるかに高い．また，同じウイルスであっても，周産期，乳幼児期，学童期と，年齢層によって検査の意義が異なってくる場合がある．

　小児科の臨床上，重要なウイルスは数多くあり，限られた紙面で個々の詳細を述べることは難しいが，本稿ではなるべく多くのウイルスを取り上げ，各ウイルスに関して基本的，かつ臨床上重要と思われる項目に絞って述べる．

参考文献

1）小松充孝，清水俊明：抗体価（麻疹，風疹，水痘，ムンプス）．小児内科　44：1556-1561，2012

2）石黒精：伝染性紅斑の検査─ヒトパルボウイルスB19抗体．診断と治療　97：1725-1727，2009

3）森内昌子，森内浩幸：先天性サイトメガロウイルス感染症．小児臨　64：2575-2581，2011

4）田中智之：感染症迅速検査アップデート　各種迅速検査法　消化器の感染症　ウイルス性腸炎．Med Technol　36：1393-1399，2008

5）三田村敬子，川上千春，清水英明：インフルエンザの迅速診断─迅速診断キットの進歩と課題．医のあゆみ　241：101-110，2012

6）小松陽樹，乾あやの，橋本卓史，他：B型肝炎，C型肝炎─小児科医の立場から．周産期医学　37：1545-1549，2007

7）大戸斉：C型肝炎ウイルス等の母子感染防止に関する研究　厚生労働省科学研究補助金平成18年度総括・分担研究報告書，pp1-18，2007