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基礎から学ぼう一般検査・7
寄生虫検査(虫卵・虫体)
著者: 野崎司1 浅井さとみ2 宮地勇人2
所属機関: 1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科 2東海大学医学部付属病院基盤診療学系臨床検査学
ページ範囲:P.780 - P.786
文献購入ページに移動わが国の社会生活環境の変化によって,寄生虫症の動向は目覚ましい変貌を遂げた.昭和30年代まで,多くの感染者がみられた消化管寄生虫症は,公衆衛生環境の改善とともに影を潜めた.一方,熱帯・亜熱帯の開発途上国では依然として多様な寄生虫症が流行し,住民のみならず,その地を訪れる旅行者にも感染の危険がある.
また,日本人のグルメ嗜好やペット嗜好の変化に伴い,まれな寄生虫に感染するケースも増えている.このように,寄生虫症は海外からの輸入寄生虫症,ペットからの人獣共通寄生虫症などの多様化がみられ,診断・治療を左右する検査の重要性が増している.寄生虫は原虫類と蠕虫類に大別され,特に後者において,顕微鏡観察による鑑別と同定は難渋する.本稿では,蠕虫類を中心に,寄生虫の虫卵・虫体の顕微鏡検査について概説する.
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