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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻8号

2014年08月発行

文献概要

基礎から学ぼう一般検査・7

寄生虫検査(虫卵・虫体)

著者: 野崎司1 浅井さとみ2 宮地勇人2

所属機関: 1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科 2東海大学医学部付属病院基盤診療学系臨床検査学

ページ範囲:P.780 - P.786

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はじめに

 わが国の社会生活環境の変化によって,寄生虫症の動向は目覚ましい変貌を遂げた.昭和30年代まで,多くの感染者がみられた消化管寄生虫症は,公衆衛生環境の改善とともに影を潜めた.一方,熱帯・亜熱帯の開発途上国では依然として多様な寄生虫症が流行し,住民のみならず,その地を訪れる旅行者にも感染の危険がある.

 また,日本人のグルメ嗜好やペット嗜好の変化に伴い,まれな寄生虫に感染するケースも増えている.このように,寄生虫症は海外からの輸入寄生虫症,ペットからの人獣共通寄生虫症などの多様化がみられ,診断・治療を左右する検査の重要性が増している.寄生虫は原虫類と蠕虫類に大別され,特に後者において,顕微鏡観察による鑑別と同定は難渋する.本稿では,蠕虫類を中心に,寄生虫の虫卵・虫体の顕微鏡検査について概説する.

参考文献

1)吉田幸雄:図説人体寄生虫学,第6版.南山堂,2002
2)伊藤洋一,山口昇,安居院宣昭,他:医療従事者のための医動物学.講談社サイエンティフィック,2003
3)野崎司,永倉貢一,伊藤機一:尿中にビルハルツ住血吸虫卵を認めた症例.油野友二,伊藤機一(編著):尿沈渣検査症例アトラス.医歯薬出版,pp174-175,2000
4)野崎司:よく見かける寄生虫卵の検出法.臨病理レビュー特集第140号 105-112,2007
5)野崎司,伊藤機一:検体の取り扱いと検査の進め方.検と技 37:40-44,2009
6)野崎司:ここまでやろう・考えよう寄生虫検査.Med Technol 40:381-386,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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