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技術講座 一般
尿中BJPの検出
著者: 井本真由美1
所属機関: 1近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部
ページ範囲:P.836 - P.841
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●従来,ベンス・ジョーンズ蛋白(BJP)は尿蛋白試験紙に反応し難い(反応しない)とされてきたが,筆者の検討の結果,アルブミンと同様に15mg/dL以上であれば試験紙と反応することが判明した.
●尿中BJP定性試験(熱凝固試験)のPutnam法は,感度,特異性に欠けるとされているが,筆者の検討の結果,反応温度と反応pHを厳守すれば,BJPの等電点に依存することなくBJPの検出が可能であることが判明した.その検出感度は10~20mg/dLである.
●Putnam法は,尿中BJPのスクリーニング法として有用であり,陽性となった場合,BJPか遊離L鎖かを判別するために,免疫電気泳動法(IEP)あるいは免疫固定法(IFE)で確認する.
●従来,ベンス・ジョーンズ蛋白(BJP)は尿蛋白試験紙に反応し難い(反応しない)とされてきたが,筆者の検討の結果,アルブミンと同様に15mg/dL以上であれば試験紙と反応することが判明した.
●尿中BJP定性試験(熱凝固試験)のPutnam法は,感度,特異性に欠けるとされているが,筆者の検討の結果,反応温度と反応pHを厳守すれば,BJPの等電点に依存することなくBJPの検出が可能であることが判明した.その検出感度は10~20mg/dLである.
●Putnam法は,尿中BJPのスクリーニング法として有用であり,陽性となった場合,BJPか遊離L鎖かを判別するために,免疫電気泳動法(IEP)あるいは免疫固定法(IFE)で確認する.
参考文献
1)Putnam FW, Easley CW, Lynn LT, et al : The heat precipitation of Bence-Jones proteins. I. Optimum conditions. Arch Biochem Biophys 83:115-130,1959
2)井本真由美,松村到,船内正憲,他:尿蛋白試験紙にBence Jones蛋白が反応することの検証.臨床化学 43:217-225,2004
3)井本真由美,渡辺勝紀,齋藤昭夫,他:L鎖に糖鎖付加が示唆された特異な熱反応性を持つλ型BJPの特性.臨病理 60:106,2012
4)井本真由美:Bence Jones蛋白が定性法で陽性となった場合の確認法を教えてください.臨検 57:1316-1317,2013
5)藤田清貴:臨床検査で遭遇する異常蛋白質 基礎から発見・解析法まで.医歯薬出版,pp19-46,2010
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