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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻9号

2014年09月発行

文献概要

Q&A 読者質問箱

医療従事者・研究者に求められる利益相反における開示について教えてください

著者: 新谷由紀子1

所属機関: 1筑波大学利益相反・輸出管理マネジメント室

ページ範囲:P.881 - P.883

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Q 医療従事者・研究者に求められる利益相反における開示について教えてください

A ノバルティスファーマ社の降圧剤ディオバンについて,その効果を調べた2002年以降の臨床研究の論文に研究データの人為的操作が発覚し,マスコミで大々的に報道されました.この事件の最終決着はまだついていませんが,一つの大きな問題は,同社から臨床研究を実施した5大学に,2002年以降,総額11億円を超える奨学寄付金がわたっていたことです.

 金銭的利害関係をもつと,人間はどうしても対応が甘くなったり,えこひいきをしたりといった行為に陥りがちです.それは,これまでのいろいろな調査でも明らかになっています.医療や医学研究においてこのような状況が生じると,その客観性や公平性が損なわれたり,あるいは,実際には損なわれていなくとも,外部からみたときに損なわれているようにみえ,そのために社会的信頼が失われたりする恐れがあります.こうした場合に,利益相反の状況をマネジメントする必要があるのです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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