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Laboratory Practice 〈病理〉
膵・消化管の神経内分泌腫瘍の新分類
著者: 高瀬優1 岡田基1
所属機関: 1越谷市立病院臨床検査科
ページ範囲:P.904 - P.908
文献購入ページに移動はじめに
日常診療における腫瘍の治療は,言うまでもなく腫瘍の病理診断に基づいて行われる.その病理診断は,HE(hematoxylin-eosin)染色を主体とした腫瘍の病理組織学的観察による分類のなかで行われる.
医療の現場で病理組織学的分類に求められることは,分類の簡易性・簡便性,すなわち特殊な検査・方法を用いずに,いわゆるルーチンのなかで診断可能であることと,臨床医にわかりやすく,患者の治療(方針)・予後判定などに有用であることである.現在,臨床的に有用な膵・消化管の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)の分類は,2010年改訂のWHO(World Health Organization)分類(新WHO分類)と,その概念の骨子となったENETS(European Neuroendocrine Tumor Society)によるガイドラインである.
本稿では新WHO分類を中心に解説する.
日常診療における腫瘍の治療は,言うまでもなく腫瘍の病理診断に基づいて行われる.その病理診断は,HE(hematoxylin-eosin)染色を主体とした腫瘍の病理組織学的観察による分類のなかで行われる.
医療の現場で病理組織学的分類に求められることは,分類の簡易性・簡便性,すなわち特殊な検査・方法を用いずに,いわゆるルーチンのなかで診断可能であることと,臨床医にわかりやすく,患者の治療(方針)・予後判定などに有用であることである.現在,臨床的に有用な膵・消化管の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)の分類は,2010年改訂のWHO(World Health Organization)分類(新WHO分類)と,その概念の骨子となったENETS(European Neuroendocrine Tumor Society)によるガイドラインである.
本稿では新WHO分類を中心に解説する.
参考文献
1)岩淵三哉:内分泌細胞癌.深山正久,大倉康男(編):胃癌,第1版.文光堂,pp97-106,2009
2)福村由紀,増田芳雄,高瀬優,他:WHO分類よりみたGEPNETの病理組織診断.肝胆膵 66:755-764,2013
1)Rindi G, Arnold R, Bosman FT, et al : Nomenclature and classification of neuroendocrine neoplasms of the digestive system. Bosman FT, Carneiro F, Hruban RH, (eds) et al : WHO classification of Tumours of the Digestive System, 4th ed. IARC Press, Lyon,2010
2)DeLellis RA, Lloyd RV, Heitz PU, et al : Pathology and genetics, Tumors of Endocrine Organs. WHO, IARC Press, Lyon,2004
3)Klöppel G, Rindi G, Perren A, et al : The ENETS and AJCC/UICC TNM classifications of the neuroendocrine tumors of the gastrointestinal tract and the pancreas : a statement. Virchows Arch 456:595-597,2010
4)今村正之:膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)診断・治療 実践マニュアル,第1版.総合医学社,2011
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