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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻1号

2015年01月発行

文献概要

技術講座 血液

自動血球計数器のデータに付加価値をつけてみよう—目視による血液塗抹標本検査の有用性を検証する

著者: 下村登規夫1

所属機関: 1国立病院機構さいがた医療センターメディカルシティさいがた

ページ範囲:P.24 - P.29

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Point

●自動血球計数器から得られたデータは,必ずしも完全なものとはいえません.ですから,目視の知識をもって自動血球計数器のデータを評価する必要があるのです.

●赤血球の場合には,大小不同や連銭形成の可能性を考えさせるようなものを考慮しながらデータを読みます.

●白血球の場合には,scatter gramから異形リンパ球の有無を評価し,リンパ球が減少して好中球系が増加している場合には,目視によって,真の左方移動の有無を臨床に送ることが大切です.

●血小板の場合には,EDTAによる血小板凝集の有無が重要になります.血小板数が10万を切っているのに,出血傾向がないなどの時には,血小板凝集や巨大血小板による偽性血小板減少症の場合もあるからです.

参考文献

1)近藤也寸紀,吉田里恵,中村元則:国際的血球基準器としてのコルターカウンターモデルZBIの機能.生物試料分析 31:331-338,2008
2)Moldavan A : Photo-electric technique for the counting of microscopical cells. Science 80:188-189,1934
3)北村聖:血液・凝固・線溶系検査.高久史麿(監修),黒川清,北村聖,春日雅人(編):臨床検査データブック.医学書院,pp305-313,2003
4)大庭雄三,服部幸夫:2 血液・凝固・線溶検査,1.血球検査.猪川嗣朗,神辺眞之(監修),下村登規夫(編):実践 臨床検査.じほう,pp52-65,2001
5)Shimomura T, Fujiwara H, Ikawa S, et al : Effects of Taxol on blood cells. Lancet 352:541-542,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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