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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻1号

2015年01月発行

文献概要

Q&A 読者質問箱

緊急検査にドライケミストリーを導入することを検討しましたが,CK活性測定の相関性試験で,液体試薬は320U/L,ドライ試薬は146U/Lと乖離を示す検体がありました.どうしてこのような乖離が起こるのでしょうか?

著者: 星野忠1

所属機関: 1日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野

ページ範囲:P.68 - P.69

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Q 緊急検査にドライケミストリーを導入することを検討しましたが,CK活性測定の相関性試験で,液体試薬は320U/L,ドライ試薬は146U/Lと乖離を示す検体がありました.どうしてこのような乖離が起こるのでしょうか?

A ドライケミストリー検査は,緊急検査を主な目的として米国のイーストマン・コダック社が1978年に開発し,エクタケムシステムとして商品化されたものです.今日ではPOCT(point of care test)をはじめとして,日常検査にも広く用いられています.ドライケミストリー試薬(ドライ試薬)は液体試薬を用いた測定に比べて試料が希釈されずに反応が進むことから,試料中に存在する測定物質以外の組成や性状が測定系に影響を及ぼすことがあり,一般にマトリックス効果と呼ばれています.このマトリックス効果の具体例としては,外部精度管理調査において凍結乾燥試料を用いた場合,ドライ試薬と液体試薬との測定値で乖離する検査項目があることが知られています.ただし,新鮮血清を用いた場合にはほとんど乖離は生じません.

参考文献

1)戸澤辰雄,橋本眞理子:ドライケミストリーによるクレアチンキナーゼ測定値にマクロクレアチンキナーゼが及ぼす影響.臨病理 47:149-154,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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