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緊急検査にドライケミストリーを導入することを検討しましたが,CK活性測定の相関性試験で,液体試薬は320U/L,ドライ試薬は146U/Lと乖離を示す検体がありました.どうしてこのような乖離が起こるのでしょうか?
著者: 星野忠1
所属機関: 1日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野
ページ範囲:P.68 - P.69
文献購入ページに移動A ドライケミストリー検査は,緊急検査を主な目的として米国のイーストマン・コダック社が1978年に開発し,エクタケムシステムとして商品化されたものです.今日ではPOCT(point of care test)をはじめとして,日常検査にも広く用いられています.ドライケミストリー試薬(ドライ試薬)は液体試薬を用いた測定に比べて試料が希釈されずに反応が進むことから,試料中に存在する測定物質以外の組成や性状が測定系に影響を及ぼすことがあり,一般にマトリックス効果と呼ばれています.このマトリックス効果の具体例としては,外部精度管理調査において凍結乾燥試料を用いた場合,ドライ試薬と液体試薬との測定値で乖離する検査項目があることが知られています.ただし,新鮮血清を用いた場合にはほとんど乖離は生じません.
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