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増刊号 血液形態アトラス Ⅰ部 造血器悪性腫瘍 2章 骨髄増殖性腫瘍(MPN)
2 真性赤血球増加症(PV)
著者: 丸尾理恵1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.918 - P.919
文献購入ページに移動 真性赤血球増加症(polycythemia vera:PV)は,赤血球および総血液量の著しい増加,また白血球・血小板の増加や脾腫を特徴とする骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms:MPN)のひとつである.一部は急性白血病や骨髄線維症に移行する1〜3).PVの診断基準を→表11,2)に示す.PVの95%以上にJAK2遺伝子変異(V617F)が検出され,それ以外の症例の大半にJAK2エクソン12変異が認められることから,JAK2遺伝子変異がPVの病態形成に大きく関わっている可能性が考えられる.
臨床症状としては,頭痛,めまい,視力障害が初期にみられる最も頻度の高い症状で,ときに胃潰瘍,肝脾腫もみられることがある.また,四肢の熱感・紅潮,入浴後の搔痒感がPVの特徴的な症状である.治療としては,瀉血やハイドロキシウレア,低用量アスピリン投与が行われる.
臨床症状としては,頭痛,めまい,視力障害が初期にみられる最も頻度の高い症状で,ときに胃潰瘍,肝脾腫もみられることがある.また,四肢の熱感・紅潮,入浴後の搔痒感がPVの特徴的な症状である.治療としては,瀉血やハイドロキシウレア,低用量アスピリン投与が行われる.
参考文献
2章 骨髄増殖性腫瘍(MPN) 参考文献リスト
1)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al (ed) : WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, 4th ed. IARC, Lyon,2008
2)直江知樹,朝長万左男,中村栄男,他(編):WHO血液腫瘍分類─WHO分類2008をうまく活用するために.医薬ジャーナル社,2010
3)日本血液学会:造血器腫瘍診療ガイドライン,2013年版.WEB版(第1.1版)(http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/index.html:最終アクセス2015年8月7日)
4)Klampfl T, Gisslinger H, Harutyunyan AS, et al : Somatic mutations of calreticulin in myeloproliferative neoplasms. N Engl J Med 369:2379-2390,2013
5)Nangalia J, Massie CE, Baxter EJ, et al : Somatic CALR mutations in myeloproliferative neoplasms with nonmutated JAK2. N Engl J Med 369:2391-2405,2013
6)Heuck G : Falle von Leukamie mit eigenthumlichem Blutresp. Knochenmarksbefund.Virchow Arch 78:475-496,1879
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