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増刊号 血液形態アトラス Ⅰ部 造血器悪性腫瘍 3章 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)
1 慢性骨髄単球性白血病(CMML)
著者: 丸尾理恵1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.930 - P.931
文献購入ページに移動 慢性骨髄単球性白血病(Chronic myelomonocytic leukemia:CMML)は,WHO分類第4版(2008)では骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(myelodysplastic/myeloproliferative neoplasms:MDS/MPN)に分類される,MDSとMPNとの特徴を併せ持ったクローン性骨髄性腫瘍である1,2).CMMLの診断基準を→表11,2)に示す.単球の増加がCMML診断の指標となり,3カ月以上持続して末梢血の単球が1,000/μLを超え,単球比率が10%以上を示す.その他,1血球系統以上の異形成を認める,フィラデルフィア(Philadelphia:Ph)染色体やBCR/ABL1融合遺伝子を認めない,PDGFRA,PDGFRB遺伝子異常を認めない,芽球は20%未満であることが診断に必要な条件である.
CMMLは骨髄および末梢血中の芽球と前単球の比率によって2つのタイプに分けられ,それぞれ予後が異なる.
①CMML-1:末梢血中の芽球(前単球を含む)が5%未満かつ骨髄で10%未満.
②CMML-2:末梢血中の芽球(前単球を含む)が5〜19%または骨髄で10〜19%,あるいは芽球と前単球の割合にかかわらずAuer小体を有する場合.
CMMLは造血幹細胞の異常により発症すると考えられているが,病因については不明である.放射線や発癌性物質が病因のひとつになるとも考えられている.
臨床症状として特異的なものはなく,貧血,倦怠感,体重減少,発熱や盗汗,感染や血小板減少による出血症状,肝脾腫などを認める.リンパ節腫大はまれで,もし認められれば急性転化の兆候と考えられる.
CMMLは骨髄および末梢血中の芽球と前単球の比率によって2つのタイプに分けられ,それぞれ予後が異なる.
①CMML-1:末梢血中の芽球(前単球を含む)が5%未満かつ骨髄で10%未満.
②CMML-2:末梢血中の芽球(前単球を含む)が5〜19%または骨髄で10〜19%,あるいは芽球と前単球の割合にかかわらずAuer小体を有する場合.
CMMLは造血幹細胞の異常により発症すると考えられているが,病因については不明である.放射線や発癌性物質が病因のひとつになるとも考えられている.
臨床症状として特異的なものはなく,貧血,倦怠感,体重減少,発熱や盗汗,感染や血小板減少による出血症状,肝脾腫などを認める.リンパ節腫大はまれで,もし認められれば急性転化の兆候と考えられる.
参考文献
3章 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN) 参考文献リスト
1)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al (ed) : WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, 4th ed. IARC, Lyon,2008
2)直江知樹,朝長万左男,中村栄男,他(編):WHO血液腫瘍分類─WHO分類2008をうまく活用するために.医薬ジャーナル社,2010
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