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増刊号 血液形態アトラス Ⅱ部 造血器腫瘍以外 8章 白血球系
2 デング熱
著者: 大金亜弥1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1022 - P.1023
文献購入ページに移動媒介蚊は,デングウイルスを保有している患者の血液を吸血することでウイルスを保有し,この蚊が非感染者を吸血する際に感染が生じる.ヒトからヒトへの直接感染はない.感染しても,無症候性感染の頻度は50〜80%とされている.
デング熱の主症状は,発熱,全身倦怠感,頭痛,関節痛,筋肉痛,皮疹などである.血算では白血球減少や血小板減少を認めることが多い.発症すると通常は1週間前後の経過で回復する.しかし,一部の患者は経過中に血管透過性亢進を伴うデング出血熱へと進行し,このうち,デングショック症候群の病態になった患者を重症型デングと呼ぶ.重症型デングは,放置すれば致命率は10〜20%とされる.重症化する要因について,デングウイルスにはDENV-1〜5の5つの血清型があるが,血清型の異なるウイルスによる2度目の感染に起因するという説が強い.
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