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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻10号

2015年09月発行

文献概要

増刊号 血液形態アトラス Ⅱ部 造血器腫瘍以外 8章 白血球系

2 デング熱

著者: 大金亜弥1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1022 - P.1023

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 デング熱は,フラビウイルス科フラビウイルス属のRNAウイルスであるデングウイルスの感染により発症する急性発熱性疾患である.ネッタイシマカやヒトスジシマカを媒介してヒトに感染する.アジア,中東,アフリカ,中南米,オセアニアで流行しており,年間1億人近くの患者が発生していると推定されている.わが国では,主に東南アジアを中心とする流行地域からの帰国者で発症する事例が多いが,2014年には海外渡航歴がない患者が都内を中心に全国的に続出し,話題となった.

 媒介蚊は,デングウイルスを保有している患者の血液を吸血することでウイルスを保有し,この蚊が非感染者を吸血する際に感染が生じる.ヒトからヒトへの直接感染はない.感染しても,無症候性感染の頻度は50〜80%とされている.

 デング熱の主症状は,発熱,全身倦怠感,頭痛,関節痛,筋肉痛,皮疹などである.血算では白血球減少や血小板減少を認めることが多い.発症すると通常は1週間前後の経過で回復する.しかし,一部の患者は経過中に血管透過性亢進を伴うデング出血熱へと進行し,このうち,デングショック症候群の病態になった患者を重症型デングと呼ぶ.重症型デングは,放置すれば致命率は10〜20%とされる.重症化する要因について,デングウイルスにはDENV-1〜5の5つの血清型があるが,血清型の異なるウイルスによる2度目の感染に起因するという説が強い.

参考文献

8章 白血球系 参考文献リスト
1)日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会:日本版敗血症診療ガイドライン.日集中医誌 20:124-173,2013(http://www.jsicm.org/pdf/SepsisJapan2013.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
2)遠藤重厚,鈴木泰,高橋学:プレセプシン─新しい敗血症のマーカー.検と技 42:196-199,2014
3)大橋春彦,堀田知光:薬剤性造血器障害─臨床 病理と臨 27:728-732,2009
4)風間啓至,吉永健太郎:薬剤性血液異常.診断と治療 99:1230-1235,2011
5)日本小児血液・がん学会:小児がん診療ガイドライン 第6章 神経芽腫(http://www.jspho.jp/pdf/guideline/ccgl11_10.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
6)森脇昭介,万代光一,岡部健一,他:骨髄穿刺・生検による骨髄転移の病理学的検討.癌の臨 49:203-209,2003
7)熊倉俊一:HPSの病態・診断・治療.血栓止血誌 19:210-215,2008
8)McKenna RW, Asplund SL, Kroft SH : Immunophenotypic analysis of hematogones (B-lymphocyte precursors) and neoplastic lymphoblasts by 4-color flow cytometry. Leuk Lymphoma 45:277-285,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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