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増刊号 血液形態アトラス Ⅱ部 造血器腫瘍以外 8章 白血球系
3 敗血症
著者: 吉川直之1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1024 - P.1025
文献購入ページに移動 敗血症(sepsis)は,感染によって発症した全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)である.すなわち,感染の存在に加え,SIRSの定義の4項目のうち2項目以上が該当する場合である(→表1)1).
症状としては,発熱,頻脈,意識障害,消化器症状(悪心,嘔吐,下痢,黄疸),乏尿,発疹などが挙げられる.敗血症のなかで,臓器障害,臓器灌流低下または低血圧を呈する状態を重症敗血症(severe sepsis)という.重症敗血症のうち,十分な輸液負荷を行っても低血圧が持続するものを敗血症性ショック(septic shock)という.
重症敗血症/敗血症性ショックでは菌血症を合併している可能性が高いため,すべての症例において,原因菌診断目的に,抗菌薬投与開始前に血液培養を行う.原因となる感染部位は,腹腔内,呼吸器,血流(カテーテル関連を含む),皮膚・軟部組織,尿路などが多い.原因菌としては,黄色ブドウ球菌〔MRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus),MSSA(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus)〕,大腸菌,肺炎桿菌,緑膿菌,エンテロバクター属などが多い.
症状としては,発熱,頻脈,意識障害,消化器症状(悪心,嘔吐,下痢,黄疸),乏尿,発疹などが挙げられる.敗血症のなかで,臓器障害,臓器灌流低下または低血圧を呈する状態を重症敗血症(severe sepsis)という.重症敗血症のうち,十分な輸液負荷を行っても低血圧が持続するものを敗血症性ショック(septic shock)という.
重症敗血症/敗血症性ショックでは菌血症を合併している可能性が高いため,すべての症例において,原因菌診断目的に,抗菌薬投与開始前に血液培養を行う.原因となる感染部位は,腹腔内,呼吸器,血流(カテーテル関連を含む),皮膚・軟部組織,尿路などが多い.原因菌としては,黄色ブドウ球菌〔MRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus),MSSA(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus)〕,大腸菌,肺炎桿菌,緑膿菌,エンテロバクター属などが多い.
参考文献
8章 白血球系 参考文献リスト
1)日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会:日本版敗血症診療ガイドライン.日集中医誌 20:124-173,2013(http://www.jsicm.org/pdf/SepsisJapan2013.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
2)遠藤重厚,鈴木泰,高橋学:プレセプシン─新しい敗血症のマーカー.検と技 42:196-199,2014
3)大橋春彦,堀田知光:薬剤性造血器障害─臨床 病理と臨 27:728-732,2009
4)風間啓至,吉永健太郎:薬剤性血液異常.診断と治療 99:1230-1235,2011
5)日本小児血液・がん学会:小児がん診療ガイドライン 第6章 神経芽腫(http://www.jspho.jp/pdf/guideline/ccgl11_10.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
6)森脇昭介,万代光一,岡部健一,他:骨髄穿刺・生検による骨髄転移の病理学的検討.癌の臨 49:203-209,2003
7)熊倉俊一:HPSの病態・診断・治療.血栓止血誌 19:210-215,2008
8)McKenna RW, Asplund SL, Kroft SH : Immunophenotypic analysis of hematogones (B-lymphocyte precursors) and neoplastic lymphoblasts by 4-color flow cytometry. Leuk Lymphoma 45:277-285,2004
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