icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻10号

2015年09月発行

文献概要

増刊号 血液形態アトラス Ⅱ部 造血器腫瘍以外 8章 白血球系

5 無顆粒球症

著者: 大金亜弥1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1028 - P.1029

文献購入ページに移動
 末梢血の顆粒球(好中球)が1,500/μL以下の状態を顆粒球減少症,500/μL以下の状態を無顆粒球症と呼ぶ.赤血球数と血小板数は基準範囲内であることが多いとされる.臨床的には発熱や咽頭痛などの感染症状で発見されることが多い.無顆粒球症の原因としては薬剤性が多く,原因薬剤として抗甲状腺薬や抗生剤,胃潰瘍治療薬,向精神薬などが知られている.原因薬剤の投与中止で好中球数は回復する.感染症を合併している場合は,抗生剤投与やG-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)の投与が行われる.薬剤性無顆粒球症の本邦における発症頻度は2人/100万人/年と報告されており,まれではあるが,適切に治療されなければ致命率の高い疾患である.

参考文献

8章 白血球系 参考文献リスト
1)日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会:日本版敗血症診療ガイドライン.日集中医誌 20:124-173,2013(http://www.jsicm.org/pdf/SepsisJapan2013.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
2)遠藤重厚,鈴木泰,高橋学:プレセプシン─新しい敗血症のマーカー.検と技 42:196-199,2014
3)大橋春彦,堀田知光:薬剤性造血器障害─臨床 病理と臨 27:728-732,2009
4)風間啓至,吉永健太郎:薬剤性血液異常.診断と治療 99:1230-1235,2011
5)日本小児血液・がん学会:小児がん診療ガイドライン 第6章 神経芽腫(http://www.jspho.jp/pdf/guideline/ccgl11_10.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
6)森脇昭介,万代光一,岡部健一,他:骨髄穿刺・生検による骨髄転移の病理学的検討.癌の臨 49:203-209,2003
7)熊倉俊一:HPSの病態・診断・治療.血栓止血誌 19:210-215,2008
8)McKenna RW, Asplund SL, Kroft SH : Immunophenotypic analysis of hematogones (B-lymphocyte precursors) and neoplastic lymphoblasts by 4-color flow cytometry. Leuk Lymphoma 45:277-285,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?