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増刊号 血液形態アトラス Ⅱ部 造血器腫瘍以外 8章 白血球系
5 無顆粒球症
著者: 大金亜弥1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1028 - P.1029
文献購入ページに移動 末梢血の顆粒球(好中球)が1,500/μL以下の状態を顆粒球減少症,500/μL以下の状態を無顆粒球症と呼ぶ.赤血球数と血小板数は基準範囲内であることが多いとされる.臨床的には発熱や咽頭痛などの感染症状で発見されることが多い.無顆粒球症の原因としては薬剤性が多く,原因薬剤として抗甲状腺薬や抗生剤,胃潰瘍治療薬,向精神薬などが知られている.原因薬剤の投与中止で好中球数は回復する.感染症を合併している場合は,抗生剤投与やG-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)の投与が行われる.薬剤性無顆粒球症の本邦における発症頻度は2人/100万人/年と報告されており,まれではあるが,適切に治療されなければ致命率の高い疾患である.
参考文献
8章 白血球系 参考文献リスト
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