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増刊号 血液形態アトラス Ⅱ部 造血器腫瘍以外 8章 白血球系
7 骨髄癌腫症
著者: 吉川直之1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1032 - P.1034
文献購入ページに移動 骨髄癌腫症は,腫瘍細胞が骨髄内に多発性かつ広範囲に転移し,骨髄組織が腫瘍細胞に置換された状態をいう.骨髄には血行性に腫瘍細胞の転移が起こりやすいが,一般的に未分化なものほど骨髄への転移が多く,組織型では腺癌が多い.骨髄癌腫症を来しやすい腫瘍として,上皮性腫瘍では,胃癌,肺癌,乳癌,前立腺癌,甲状腺癌,腎癌など6),非上皮性腫瘍では小児に多い神経芽細胞腫,横紋筋肉腫,ユーイング肉腫(Ewing's sarcoma),骨肉腫などが挙げられる.溶骨性転移と造骨性転移があり,乳癌では溶骨性転移が多く,前立腺癌では造骨性転移が多い.
貧血,腰背部痛,出血傾向が三主徴とされるが,最も多いのは全身倦怠感と腰背部痛である.末梢血のleukoerythroblastosis(白赤芽球症)を契機に骨髄検査が施行され,診断されるケースが少なくない.赤色髄を有する部位への転移が多く,脊椎骨,骨盤骨,肋骨,胸骨,頭蓋,大腿骨などへの転移が知られている.画像検査としては,単純X線,CT,MRI,骨シンチグラフィ,PET-CT(positron emission tomography- computed tomography)などが行われる.骨髄を中心とする広範なリンパ行性,血行性転移によるびまん性臓器浸潤により,しばしばDIC(disseminated intravascular coagulation)やmicroangiopathic hemolytic anemiaを合併する.
貧血,腰背部痛,出血傾向が三主徴とされるが,最も多いのは全身倦怠感と腰背部痛である.末梢血のleukoerythroblastosis(白赤芽球症)を契機に骨髄検査が施行され,診断されるケースが少なくない.赤色髄を有する部位への転移が多く,脊椎骨,骨盤骨,肋骨,胸骨,頭蓋,大腿骨などへの転移が知られている.画像検査としては,単純X線,CT,MRI,骨シンチグラフィ,PET-CT(positron emission tomography- computed tomography)などが行われる.骨髄を中心とする広範なリンパ行性,血行性転移によるびまん性臓器浸潤により,しばしばDIC(disseminated intravascular coagulation)やmicroangiopathic hemolytic anemiaを合併する.
参考文献
8章 白血球系 参考文献リスト
1)日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会:日本版敗血症診療ガイドライン.日集中医誌 20:124-173,2013(http://www.jsicm.org/pdf/SepsisJapan2013.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
2)遠藤重厚,鈴木泰,高橋学:プレセプシン─新しい敗血症のマーカー.検と技 42:196-199,2014
3)大橋春彦,堀田知光:薬剤性造血器障害─臨床 病理と臨 27:728-732,2009
4)風間啓至,吉永健太郎:薬剤性血液異常.診断と治療 99:1230-1235,2011
5)日本小児血液・がん学会:小児がん診療ガイドライン 第6章 神経芽腫(http://www.jspho.jp/pdf/guideline/ccgl11_10.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
6)森脇昭介,万代光一,岡部健一,他:骨髄穿刺・生検による骨髄転移の病理学的検討.癌の臨 49:203-209,2003
7)熊倉俊一:HPSの病態・診断・治療.血栓止血誌 19:210-215,2008
8)McKenna RW, Asplund SL, Kroft SH : Immunophenotypic analysis of hematogones (B-lymphocyte precursors) and neoplastic lymphoblasts by 4-color flow cytometry. Leuk Lymphoma 45:277-285,2004
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