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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻10号

2015年09月発行

文献概要

増刊号 血液形態アトラス Ⅱ部 造血器腫瘍以外 9章 赤血球系

12 巨赤芽球性貧血

著者: 水間知世1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1064 - P.1067

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 巨赤芽球性貧血(megaloblastic anemia:MA)は,骨髄に巨赤芽球が認められる貧血の総称である.巨赤芽球はDNAの合成障害によって出現する.DNA合成障害の主な原因として,ビタミンB12欠乏と葉酸欠乏が挙げられる.胃切除後のビタミンB12欠乏は,主な原因のひとつである.

 大球性正色素性貧血を来す代表的な疾患であり,しばしば汎血球減少もみられる.無効造血に伴って,LD高値,総ビリルビン高値(間接ビリルビン優位)を認める(→表1).骨髄像では,赤芽球系の過形成,巨赤芽球を認める.ビタミンB12欠乏の場合,ビタミンB12の補充(筋肉注射や経口投与)により,速やかに造血は回復する.

参考文献

9章 赤血球系 参考文献リスト
1)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業特発性造血障害に関する調査研究班:再生不良性貧血診療の参照ガイド,平成26年度改訂版(http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H26/AA.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
2)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al (ed) : WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, 4th ed. IARC, Lyon,2008
3)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業特発性造血障害に関する調査研究班:発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド,平成26年度改訂版(http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H26/PNH2015.pdf)
4)日本鉄バイオサイエンス学会治療指針作成委員会(編):鉄剤の適正使用による貧血治療指針,改訂第2版(http://jbis.sub.jp/pdf/tetu-ketubou.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
5)Bolton-Maggs PH, Langer JC, Iolascon A, et al : Haematology Task Force of the British Committee for Standards in Haematology : Guidelines for the diagnosis and management of hereditary spherocytosis-2011update. Br J Haematol 156:37-49,2012
6)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業特発性造血障害に関する調査研究班:自己免疫性溶血性貧血 診療の参照ガイド,平成25年度改訂版(http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H25/5.pdf:最終アクセス2015年8月7日)
7)Berentsen S, Ulvestad E, Langholm R, et al : Primary chronic cold agglutinin disease : a population based clinical study of 86 patients. Haematologica 91:460-466,2006
8)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業特発性造血障害に関する調査研究班:赤芽球癆診療の参照ガイド,改訂第3版(http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H25/2.pdf:最終アクセス2015年8月7日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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