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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻11号

2015年10月発行

文献概要

技術講座 輸血

吸着解離法—ABO亜型検出のために

著者: 矢部隆一1

所属機関: 1日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター検査部検査一課

ページ範囲:P.1114 - P.1119

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Point

●オモテ検査とウラ検査の不一致原因であるABO亜型を証明する1つの方法として,吸着解離試験がある.Landsteinerらが考案した熱解離法は,人由来の抗Aあるいは抗B血清を用いた代表的な方法である.

●人由来抗体(抗Aと抗B)試薬に代わって登場した市販モノクローナル抗体(マウス由来)試薬では,熱解離法で解離できない現象や偽陽性反応が生じている.

●今回は,熱解離法の手順を紹介したのちに,市販モノクローナル抗体による吸着解離試験の問題点を解説する.続いて,当施設で熱解離法を実施するために用意する人由来抗Aと抗B試薬の性状を紹介する.

参考文献

1)日本臨床衛生検査技師会「新輸血検査の実際」委員会:新輸血検査の実際,初版.日本臨床衛生検査技師会,2008
2)矢部隆一:ABO血液型検査 事例を中心とした問題点・留意点.検と技 35:1372-1377,2007
3)Landsteiner K, Miller CP : Serological studies on the blood of the primates : Ⅱ. The blood groups in anthropoid apes. J Exp Med 42:853-862,1925
4)遠山博,柴田洋一,前田平生,他(編著):輸血学,改訂第3版.中外医学社,2004
5)菊池正輝,佐々木大,渡辺裕之,他:献血者抗Bによる吸収解離試験の試み.血液事業 25:339,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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