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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻11号

2015年10月発行

文献概要

技術講座 一般

尿路感染症疑い患者における尿試験紙法の見方と考え方—細菌反応が陽性のとき

著者: 大沼健一郎1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1120 - P.1127

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Point

●尿路感染症は急性感染症の中でも発症頻度の高い感染症であり,重症化により敗血症にも進展するケースがあるため,早期診断と早期治療が重要である.

●尿試験紙による白血球や亜硝酸塩の検出は尿路感染症のスクリーニング検査として位置付けられているが,偽陽性や偽陰性が生じやすい検査である点に留意しなければならない.

●尿路感染症における薬剤耐性菌の分離頻度は増加傾向にあり,早期に適切な抗菌薬の選択を行うため,尿試験紙や尿沈渣検査による細菌尿の証明および検体の品質評価は有用である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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