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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻11号

2015年10月発行

文献概要

技術講座 病理

—step up編—免疫染色におけるメラニン色素脱色法の改良

著者: 百瀬正信1 太田浩良2 羽山正義34

所属機関: 1信州大学医学部附属病院臨床検査部病理検査室 2信州大学保健学系検査技術科学専攻生体情報検査学領域 3信州大学保健学系検査技術科学専攻病因・病態検査学領域 4丸子中央病院臨床検査部病理検査室

ページ範囲:P.1128 - P.1133

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Point

●メラニン色素が沈着する悪性黒色腫の免疫染色を行う場合,アルカリフォスファターゼ-ニューフクシン発色法やギムザ(Giemsa)染色で後染色を行い,抗原陽性部位とメラニンを区別する方法がある.

●多量のメラニン色素が沈着する組織に対する免疫染色では,過酸化水素法が有効とされてきたが,漂白に24時間程度要することがある.

●加温過酸化水素法は,55℃で2時間以内に漂白を完了させることが可能であり,悪性黒色腫の診断で用いられるHMB45,MART-1,S-100の免疫染色に対応可能である.

参考文献

1)名倉宏,長村義之,堤寛(編):渡辺・中根 酵素抗体法,改訂4版.学際企画,2002
2)Kamino H, Tam ST : Immunoperoxidase technique modified by counterstain with azure B as a diagnostic aid in evaluating heavily pigmented melanocytic neoplasms. J Cutan Pathol 18:436-439,1991
3)特定非営利活動法人病理技術研究会:基礎病理技術学.病理技術研究会,2013
4)渡辺陽之輔,坂口弘,細田泰弘(監修),慶応義塾大学医学部病理学教室(編):病理組織標本の作り方,第6版.医学書院,1986
5)Orchard GE : Use of heat provides a fast and efficient way to undertake melanin bleaching with dilute hydrogen peroxide. Br J Biomed Sci 64:89-91,2007
6)Momose M, Ota H, Hayama M : Re-evaluation of melanin bleaching using warm diluted hydrogen peroxide for histopathological analysis. Pathol Int 61:345-350,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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