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臨床医からの質問に答える
血液培養陽性時に,質量分析法による菌種同定はできるのですか?
著者: 清祐麻紀子1
所属機関: 1九州大学病院検査部
ページ範囲:P.1236 - P.1239
文献購入ページに移動血流感染症は重要な死亡要因の一つであり,初期の敗血症管理に優先的に実施すべき項目として,血液培養および早期の適切な抗菌薬投与が挙げられる.敗血性ショック後における早期の抗菌薬投与が生存率を決定し,不適切な抗菌薬治療が重症患者の死亡率に対するリスクファクターとなることも証明されている1).
血液培養検査は,血液から微生物をダイレクトに培養・検出できる重要な検査である.菌種名が判明することで起炎菌が明確となり,薬剤感受性検査や侵入門戸の検索も可能となる.国内でも,血液培養の複数セット採取が普及しており,血液培養検査の重要性はますます注目されている.血流感染症の原因菌を迅速かつ正確に同定することは,敗血症の診断と治療に重要な情報提供となる.
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