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排尿機能検査の最先端—医師主導から検査士主導へ
著者: 佐々木ひと美1 白木良一1
所属機関: 1藤田保健衛生大学腎泌尿器外科
ページ範囲:P.1272 - P.1275
文献購入ページに移動排尿機能検査を取り巻く現状
排尿機能検査(urodynamic testing)は蓄尿,排尿に際して膀胱および尿道の働きを他覚的に評価する検査である.いくつかの泌尿器科疾患ガイドラインで推奨され1〜3),排尿障害,蓄尿障害ともに患者が訴える症状の原因解明のため,または治療方針の決定のために施行されている.かつて排尿機能検査は,若き泌尿器科医師の登竜門であった.まずは入局とともに尿流量測定や残尿測定,尿道内へのカテーテル留置を行う膀胱内圧測定などを先輩医師から教えられ,外来患者を一日中検査し続けたものである.しかし,どこにでも若手医師がいるわけではない.数年前までは,結果を判読説明するだけではなく,泌尿器科医師が自ら機器の準備設定,検査の実施,後処理などを外来診療の合間を縫って行っており,非効率的状況であった.このような状況を改善すべく,日本泌尿器科学会では排尿機能検査の検査手技と評価方法の標準化を行い,質の高い医療の効率的な提供を目指して,泌尿器科医とともに排尿機能検査にかかわる排尿機能検査士の育成を目的とした排尿機能検査士資格制度を2004年より開始した.
排尿機能検査(urodynamic testing)は蓄尿,排尿に際して膀胱および尿道の働きを他覚的に評価する検査である.いくつかの泌尿器科疾患ガイドラインで推奨され1〜3),排尿障害,蓄尿障害ともに患者が訴える症状の原因解明のため,または治療方針の決定のために施行されている.かつて排尿機能検査は,若き泌尿器科医師の登竜門であった.まずは入局とともに尿流量測定や残尿測定,尿道内へのカテーテル留置を行う膀胱内圧測定などを先輩医師から教えられ,外来患者を一日中検査し続けたものである.しかし,どこにでも若手医師がいるわけではない.数年前までは,結果を判読説明するだけではなく,泌尿器科医師が自ら機器の準備設定,検査の実施,後処理などを外来診療の合間を縫って行っており,非効率的状況であった.このような状況を改善すべく,日本泌尿器科学会では排尿機能検査の検査手技と評価方法の標準化を行い,質の高い医療の効率的な提供を目指して,泌尿器科医とともに排尿機能検査にかかわる排尿機能検査士の育成を目的とした排尿機能検査士資格制度を2004年より開始した.
参考文献
1)日本泌尿器科学会(編):前立腺肥大症診療ガイドライン.リッチメディカル,2011
2)日本泌尿器科学会(編):男性下部尿路症状診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,2008
3)日本泌尿器科学会(編):女性下部尿路症状(FLUTS)診療ガイドライン.リッチメディカル,2013
4)村井勝,塚本泰司,小川修,他(編):最新 泌尿器科診療指針.永井書店,2008
5)日本泌尿器科学会:排尿機能検査士制度規則(平成15年4月1日)(https://www.urol.or.jp/other/data/20150406_rule.pdf)(2015年9月3日アクセス)
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