icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻13号

2015年12月発行

文献概要

技術講座 生化学

—step up編—ビタミンB12の測定

著者: 石黒厚至1

所属機関: 1株式会社LSIメディエンス メディカルソリューション推進部

ページ範囲:P.1294 - P.1299

文献購入ページに移動
Point

●ビタミンB12は,DNA合成系などに関与する補酵素として細胞の正常な成長・分化に必須の役割を果たしており,B12の欠乏は巨赤芽球性貧血をもたらす.また,B12欠乏は葉酸欠乏症状も伴うことから,原因鑑別のため,血中B12濃度測定が重要である.

●ビタミンB12測定は,B12と内因子が特異的に結合することを利用した競合的蛋白結合測定法(CPBA)に基づく.

●自動分析装置を使用する測定では,偶発的な検体サンプリングエラーにより誤データを生じることがある.機器の動作機構やエラー発生要因をよく理解しておくことが大切である.

参考文献

1)安本教傳,竹内昌昭,安井明美,他(編):五訂増補日本食品標準成分表分析マニュアル─食品成分表の専門家がわかりやすく解説する.建帛社,pp119-122,2006
2)吉田雅之:エクルーシス試薬による葉酸・ビタミンB12の測定.生物試料分析 29:228-234,2006
3)朱雀恵,荻原貴裕,川崎芳正:ADVIA CentaurによるビタミンB12および葉酸の測定.生物試料分析 29:235-242,2006
4)佐伯ひろみ:アクセスイムノアッセイシステムによる貧血関連検査 ビタミンB12・葉酸.生物試料分析 29:243-248,2006
5)前川真人:LOCI法.Med Technol 35:894,2007
6)Ihara H, Hashizume N, Totani M, et al : Traditional reference values for serum vitamin B12 and folate are not applicable to automated serum vitamin B12 and folate assays : comparison of value from three automated serum vitamin B12 and folate assays. J Anal Bio-Sci 31:291-298,2008
7)渭原博,渡邊敏明,橋詰直孝,他:自動分析法による血清ビタミンB12測定値の標準化に関する日本臨床化学会栄養専門委員会の見解:SRM1955を参照物質に用いた測定.臨化 39:58-69,2010
8)日本臨床衛生検査技師会:汎用自動分析装置による異常データに関する検討.医学検査 56:254-323,2007
9)三村智憲:測定系に起因する異常の検出─詰まり検知等.日臨検自動化会誌 34:159-162,2009
10)高木豊,影山憲貴,三橋太,他:自動分析装置における静電容量型液面センサの電圧変化解析による流路系プロセスの把握.日臨検自動化会誌 33:822-827,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?