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尿試験紙のpHがアルカリ性なのに,尿蛋白試験紙法が偽陽性になる検体と,ならない検体があるのはなぜですか?
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科
ページ範囲:P.238 - P.240
文献購入ページに移動はじめに
尿には疾病につながる成分の出現や増減が現れるため,簡便に実施できる試験紙法によるスクリーニング検査が行われている.尿pHの生理的変動範囲はpH5〜8と大きいため,試験紙法による検査において,しばしば問題となることの一つに,尿pHによる妨害がある.尿蛋白質測定においては,pH8付近のアルカリ尿が示す偽陽性反応が知られている.
アルカリ尿の全てで偽陽性反応が生じるわけではないが,偽陽性反応を呈する確率が高い.アルカリ尿の一部でのみ,偽陽性反応が引き起こされる理由について考察してみる.
尿には疾病につながる成分の出現や増減が現れるため,簡便に実施できる試験紙法によるスクリーニング検査が行われている.尿pHの生理的変動範囲はpH5〜8と大きいため,試験紙法による検査において,しばしば問題となることの一つに,尿pHによる妨害がある.尿蛋白質測定においては,pH8付近のアルカリ尿が示す偽陽性反応が知られている.
アルカリ尿の全てで偽陽性反応が生じるわけではないが,偽陽性反応を呈する確率が高い.アルカリ尿の一部でのみ,偽陽性反応が引き起こされる理由について考察してみる.
参考文献
1)鈴木優治:pH色素の蛋白質誤差.検と技 34:554-555,2006
2)Suzuki Y : Guidance for selecting the measurement conditions in the dye-binding method for determining serum protein : theoretical analysis based on the chemical equilibrium of protein error. Anal Sci 17:1263-1268,2001
3)鈴木優治:試験紙法による尿タンパク質定性検査におけるpH変化による測定誤差.分析化学 57:755-762,2008
4)鈴木優治:試験紙法による尿蛋白質定性検査における検出系pHの変動成分およびその発色への影響.医学検査 57:1239-1246,2008
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