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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻4号

2015年04月発行

文献概要

トピックス

血球洗浄装置の解凍赤血球の洗浄への応用

著者: 面川進1 寺田亨1

所属機関: 1秋田県赤十字血液センター

ページ範囲:P.284 - P.286

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はじめに

 核酸増幅検査(nucleic acid amplification test:NAT)の導入などによって,輸血用血液製剤の安全性は飛躍的に高くなっている.しかし,同種血輸血(他者血の輸血)には発熱,蕁麻疹などの副作用や肝炎などの感染症伝播のリスクが存在する.一方,自己血輸血には,これらの副作用あるいは感染のリスクがない.自己血輸血は,これらの同種血輸血による副作用を回避しうる最も安全な輸血療法であり,待機的手術患者において積極的に推進することが求められている1).また,自己血輸血の普及は,輸血用血液製剤の不足が危ぶまれる将来の血液事業において,献血由来による血液事業を補完するものともいえる.

参考文献

1)厚生労働省:輸血療法の実施に関する指針(改定版).血液製剤の使用にあたって第4版.じほう,pp19-41,2009
2)面川進:自己血輸血.窪田哲朗,加藤亮二,藤田清貴,他(編著):臨床検査学講座 免疫検査学,第2版.医歯薬出版,pp345-351,2014
215(http://www.haemonetics.com/ja-JP/Products/Devices/Blood%20-%20Plasma%20Center%20Devices/ACP%20215.aspx)
4)秋野光明,小原幸平,本間稚広,他:新たに開発された自動血球洗浄装置を用いて製造された解凍赤血球製剤の性状.血液事業 30:37-44,2007
5)隅田幸男:赤血球の凍結保存法─高濃度グリセリン急速凍結法.低温医 23:185-190,1997
6)畑澤貴子,寺田亨,阿部真,他:自動血球洗浄装置(ACP215)を用いた自己冷凍・解凍赤血球の調製について.自己輸血 23:19-22,2010
7)田村暁,秋野光明,佐藤雅子,他:連続血球洗浄装置ACP215を用いて赤血球保存液を加えたFTRCの有効期限延長に関する検討.日輸血細胞治療会誌 55:508-515,2009
8)大熊重則,宇多正行,石居昭夫,他:赤血球製剤の保存中の溶血と糖類によるその抑制効果.血液事業 7:285-292,1984
9)笹川滋,柴雅之,村徹,他:濃厚赤血球用添加液MAPについて.日輸血会誌 37:398-403,1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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