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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻5号

2015年05月発行

文献概要

教科書には書いていない採血のコツ・2

前腕内転法

著者: 杤尾人司1

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部

ページ範囲:P.371 - P.371

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 一般的に採血では,患者は採血台に腕を差し出すが,その腕の掌(手のひら)はたいがい上を向いている1,2)

 これは,わが国の現在の医療状況を反映したものではないかと考えている.要するに,静脈採血は肘屈曲部の正中皮静脈から採取することが多いため,一度採血を受けたことのある患者は,採血される部位が見えやすいように常識的に屈曲側を上に向けて手を差し出す.あたかも,日本時代劇で見られる「お控えなすって」のワンシーンをほうふつさせる腕の姿勢だと筆者は感じている.そして,下手に出された腕から採血をする者として,こちらこそ謙虚にならなければいけない,と肝に銘じている瞬間でもある.

参考文献

1)渡辺輝子:血液(静脈血)の採取.竹尾恵子(監修):Latest 看護技術のプラクティス.学習研究社,pp366-369,2004
2)JCCLS特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会:採血手順 採血に用いる針.標準採血法ガイドライン.p12,2011
3)杤尾人司,五十嵐昭一,老田達雄,他:肘正中皮静脈からの採血における血管検索のテクニック 前腕内転法の有用性について.医学検査 58:1221-1224,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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