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技術講座 血液
フローサイトメトリーの原理からデータの見方まで—解析のポイントを実際にやってみよう!
著者: 関修1
所属機関: 1東北大学病院輸血・細胞治療部
ページ範囲:P.380 - P.385
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●フローサイトメトリー(FCM)では,照射したレーザー光と同じ方向に放射される前方散乱光(FSC)の強さは細胞の大きさを,直角方向に放射される側方散乱光(SSC)の強さは細胞内構造を反映する.
●白血球共通抗原であるCD45の発現量は,リンパ球に比べ芽球では少ないためにCD45弱陽性の領域に芽球が出現し,リンパ球と芽球の区別が容易となる.
●FCMは,ゲートの設定によって検査結果に影響を及ぼすため,顕微鏡で塗抹標本を観察し,異常細胞集団の有無と形態を確認してからゲートを設定する必要がある.
●フローサイトメトリー(FCM)では,照射したレーザー光と同じ方向に放射される前方散乱光(FSC)の強さは細胞の大きさを,直角方向に放射される側方散乱光(SSC)の強さは細胞内構造を反映する.
●白血球共通抗原であるCD45の発現量は,リンパ球に比べ芽球では少ないためにCD45弱陽性の領域に芽球が出現し,リンパ球と芽球の区別が容易となる.
●FCMは,ゲートの設定によって検査結果に影響を及ぼすため,顕微鏡で塗抹標本を観察し,異常細胞集団の有無と形態を確認してからゲートを設定する必要がある.
参考文献
1)松本洋典,谷脇雅史:細胞表面抗原の解析・セルソーティング.臨検 51:941-947,2007
2)米山彰子:フローサイトメトリーの原理.検と技 28:911-914,2000
3)佐藤尚武:モノクローナル抗体.臨検 51:915-920,2007
4)日本臨床検査標準協議会血液検査標準化検討委員会フローサイトメトリーワーキンググループ:フローサイトメトリーによる末梢血リンパ球表面抗原検査に関するガイドライン(H1-AV2.0).日本臨床検査標準協議会,pp123-136,2006
5)日本臨床検査標準協議会血液検査標準化検討委員会フローサイトメトリーワーキンググループ:フローサイトメトリーによる造血器腫瘍細胞表面抗原検査に関するガイドライン(JCCLS H2-PV1.0).日本臨床検査標準協議会会誌 18:69-107,2003
6)Wood BL, Arroz M, Barnett D, et al : 2006 Bethesda International Consensus recommendations on the immunophenotypic analysis of hematolymphoid neoplasia by flow cytometry : optimal reagents and reporting for the flow cytometric diagnosis of hematopoietic neoplasia. Cytometry B Clin Cytom 72(Suppl 1):S14-S22,2007
7)藤巻慎一,張替秀郎:試料採取における抗凝固剤と保存.Cytometry Res 12:33-37,2002
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