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技術講座 移植医療
—step up編—造血幹細胞移植に用いられる細胞の解析方法—フローサイトメトリーによる造血幹細胞解析のポイント
著者: 池本純子1
所属機関: 1兵庫医科大学病院輸血・細胞治療センター
ページ範囲:P.404 - P.409
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●造血幹細胞移植には,患者とドナーの関係から,自家移植・同系移植・同種移植があり,移植する幹細胞源の違いから,骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植がある.
●移植細胞の起源による,測定サンプルの取り扱い注意点がある.注意点はそれぞれ,①骨髄液:サンプリング時の均一な混和と血漿や赤血球除去時の処理の評価,②末梢血幹細胞:細胞濃度の高いサンプルにおける希釈操作や細胞数の算出,③臍帯血:微量サンプルでの検査体制の構築と品質評価である.
●CD34陽性細胞数測定の標準化において,絶対数測定用の内部標準ビーズをサンプルに混和し,フローサイトメーターのみで目的とする細胞の絶対数を測定する方法(シングルプラットフォーム法)が推奨されている.
●CD34陽性細胞数測定は,各メーカーの推奨するプロトコールに従うことで,機器設定や解析の誤りを防ぐことができる.また,正確な測定には,使用物品の管理や機器のQCも重要である.
●造血幹細胞移植には,患者とドナーの関係から,自家移植・同系移植・同種移植があり,移植する幹細胞源の違いから,骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植がある.
●移植細胞の起源による,測定サンプルの取り扱い注意点がある.注意点はそれぞれ,①骨髄液:サンプリング時の均一な混和と血漿や赤血球除去時の処理の評価,②末梢血幹細胞:細胞濃度の高いサンプルにおける希釈操作や細胞数の算出,③臍帯血:微量サンプルでの検査体制の構築と品質評価である.
●CD34陽性細胞数測定の標準化において,絶対数測定用の内部標準ビーズをサンプルに混和し,フローサイトメーターのみで目的とする細胞の絶対数を測定する方法(シングルプラットフォーム法)が推奨されている.
●CD34陽性細胞数測定は,各メーカーの推奨するプロトコールに従うことで,機器設定や解析の誤りを防ぐことができる.また,正確な測定には,使用物品の管理や機器のQCも重要である.
参考文献
1)日本輸血・細胞治療学会,日本造血細胞移植学会:院内における血液細胞処理のための指針,第1版.日本造血細胞移植学会,日本輸血学会,2010
2)American Association of Blood Banks(編),柴田洋一(監訳代表):Technical Manual 13th edition(日本語版).pp569-600,2002
3)骨髄移植推進財団:非血縁者間末梢血幹細胞採取マニュアル 暫定版.日本骨髄バンク,2010年10月1日
4)テルモBCT社:エッセンシャルガイド,アフェレーシス治療とSPECTRA
5)厚生労働省:移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン).平成25年厚生労働省令第139号,2013
6)JCCLS血液検査標準化検討委員会フローサイトメトリーワーキンググループ:フローサイトメトリーによるCD34陽性細胞検出に関するガイドライン(JCCLS H3-P V1.0)
7)日本造血細胞移植学会,日本輸血学会:造血細胞移植 同種末梢血幹細胞移植のための健常人ドナーからの末梢血幹細胞動員・採取に関するガイドライン,改訂第4版.2010年6月30日
8)日本ベクトン・ディッキンソン社:BD FACS Canto Clinical Software CD34測定マニュアル
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