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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻5号

2015年05月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

血液製剤による感染症と安全対策について教えてください

著者: 大隈和1

所属機関: 1国立感染症研究所 血液・安全性研究部

ページ範囲:P.420 - P.423

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はじめに

 わが国では,薬害エイズや薬害肝炎の他,最近では2013年に輸血用血液製剤を投与された患者がヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)1)やC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)に感染するなど,血液製剤による感染が社会問題となった.

 血液製剤は現代医療にとって不可欠な製剤であるが,提供されたヒトの血液が原料である以上,血液を介して感染する病原体が混入する可能性をゼロにすることは困難である.

 本欄では,血液製剤の投与によってどのような感染症が発生する恐れがあるのか,また,それを防ぐために,わが国ではどのような安全対策がとられているのかについて解説する.

参考文献

1)古居保美:2013年に報告された輸血によるHIV感染事例.病原微生物検出情報 35:206-207,2014
2)半田誠:輸血と感染症.日医雑誌 127:363-366,2002
3)Stramer SL : Current perspectives in transfusion-transmitted infectious diseases : emerging and re-emerging infections. ISBT Sci Ser 9:30-36,2014
4)厚生労働省医薬食品局血液対策課:血液事業報告,平成25年版,2014
5)阿部英樹,東寛,池田久實:輸血用血液製剤のウイルス不活化の現状と課題.日輸血会誌 51:491-506,2005
6)岡田義昭:輸血用血液における病原体不活化技術の現状と新規技術の開発.検と技 42:4-7,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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