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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻5号

2015年05月発行

文献概要

オピニオン

世界敗血症デーに期待する

著者: 志馬伸朗12

所属機関: 1京都医療センター救命救急センター 2京都医療センター救命救急科

ページ範囲:P.428 - P.429

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敗血症がなぜ重要なのか

 近年の急性期医学は,生体防御能の低下した患者群(未熟低年齢者,高齢者,合併症を有する患者など)に対して,過大侵襲手術,体外式補助器具を用いた臓器補助,体内デバイス,あるいは抗癌化学療法や免疫抑制療法などを挑戦的に適応し,総体としての予後改善を目指してきた.これらは一方で,感染症の危険因子を有する患者群を生み出しているともいえる.

 感染症とこれに続発して生じる全身性炎症反応である敗血症(sepsis),とりわけ臓器機能不全を伴った敗血症である重症敗血症(severe sepsis),ショックを伴った敗血症性ショック(septic shock)は,生命予後に影響する重要な病態である.国内外での大規模な疫学調査では,重症敗血症の死亡率は約30%に及ぶ1,2).発生率は年間1.5%ずつ増加し,総人口増加率を凌駕する患者数発生が見込まれる1).したがって,敗血症に対する治療戦略の確立は,全ての医療従事者にとっての最重要課題である.

参考文献

1)Angus DC, Linde-Zwirble WT, Lidicker J, et al : Epidemiology of severe sepsis in the United States : analysis of incidence, outcome, and associated costs of care. Crit Care Med 29:1303-1310,2001
2)日本救急医学会Sepsis Registry特別委員会報告:Severe sepsisに対する診療の質と死亡率の検証.日救急医会誌 24:263-269,2013
3)日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会:日本版敗血症診療ガイドライン.日集中医誌 20:124-173,2013
4)Dellinger RP, Levy MM, Rhodes A, et al : Surviving Sepsis Campaign Guidelines Committee including the Pediatric Subgroup. Surviving sepsis campaign: international guidelines for management of severe sepsis and septic shock : 2012. Crit Care Med 41:580-637,2013
5)志馬伸朗,篠原貴子,重見研司:敗血症の認知度調査.日集中医誌 20:667-670,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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