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FFPE検体を利用した次世代シークエンサーによるクリニカルシークエンス
著者: 西原広史12 赤羽俊章2 毛利普美2
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科探索病理学講座 2北斗病院病理・遺伝子診断科
ページ範囲:P.458 - P.463
文献購入ページに移動DNAアレイあるいは次世代シークエンサー(next generation sequencer:NGS)の開発・導入によってcancer genomicsが飛躍的に発展したことで,診断・治療のパラダイムシフトが起こり,特に癌の分子標的治療薬の開発・適応には個々の症例における分子発現・遺伝子変異プロファイリングが必須となっている1).こうした新規の検査方法は,これまでの研究的側面から臨床応用へとシフトしつつあり,それに伴って使用される検体も,あらかじめ研究用に採取された検体から,通常の病理・細胞診検体を利用することが求められる.しかし,実際に癌の個別化診断・治療を目指した臨床の最前線における網羅的な遺伝子診断は,検査方法のプラットフォームがいまだ確立していないのが現状である.本稿では,病理残余組織であるホルマリン固定パラフィン包埋(formarin fixed paraffin embedded:FFPE)検体を用いた,NGSによる「日常検査としての網羅的遺伝子解析」(クリニカルシークエンス)の可能性について述べる.
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