文献詳細
文献概要
教科書には書いていない採血のコツ・3
バトンリレースタイル法
著者: 杤尾人司1
所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
ページ範囲:P.487 - P.487
文献購入ページに移動 静脈血採血は一般的に肘窩の皮静脈1)から行われるが,100人に1〜2人(約1.8%2))はこの部位の血管が触れない.前腕部の内側を走行する皮静脈も細い.さて,手背の細い血管を選択するか1),あるいは神経接触のリスクを冒して手首の橈側静脈から採血するか,悩みどころとなる.
このとき,前腕部の背面を探ると,隆々と弾性に富んだ血管が触れる.約7割以上の患者がそうである2).特に年配男性は多い.実は,前腕の背面を走行する尺側皮静脈の分枝が,静脈還流路のメジャー経路になっているのである.採血に適した血管であるが,背面という位置的な問題によって,正対したままの姿勢では患者に精いっぱい腕をねじってもらっても的確に穿刺することは困難だ.
このとき,前腕部の背面を探ると,隆々と弾性に富んだ血管が触れる.約7割以上の患者がそうである2).特に年配男性は多い.実は,前腕の背面を走行する尺側皮静脈の分枝が,静脈還流路のメジャー経路になっているのである.採血に適した血管であるが,背面という位置的な問題によって,正対したままの姿勢では患者に精いっぱい腕をねじってもらっても的確に穿刺することは困難だ.
参考文献
1)JCCLS特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会:血管の選択.標準採血法ガイドライン(GP4-A2).pp15-16,2011
2)杤尾人司,五十嵐昭一,老田達雄,他:肘屈曲側皮静脈からの採血が困難な場合における採血テクニック バトンリレースタイル法の有用性について.医学検査 59:12-15,2010
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