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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻6号

2015年06月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

大学病院における耐性菌対策

著者: 和田恭直1

所属機関: 1兵庫医科大学病院臨床検査技術部・感染制御部

ページ範囲:P.502 - P.505

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はじめに

 近年,医療施設において従来,耐性菌の代名詞であったメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)のみならず,基質拡張型βラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamase:ESBLs)産生菌,メタロ-β-ラクタマーゼ(metallo β-lactamase:MBL)産生菌,抗菌薬2系統以上耐性緑膿菌,多剤耐性緑膿菌(multiple drug-resistant Pseudomonas aeruginosa:MDRP),ペニシリン耐性肺炎球菌(penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae:PRSP),β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(β-lactamase-negative, ampicillin-resistant Haemophilus influenzae:BLNAR),バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococcus:VRE),多剤耐性結核菌(multidrug-resistant Mycobacterium tuberculosis:MDRMT),さらに多剤耐性アシネトバクター属(multiple drug-resistant Acinetobacter:MDRA),カルバペネム耐性腸内細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)などの耐性菌が問題となっており,微生物検査が行う耐性菌の検出は,院内の感染制御において重要な役割を担っています.

参考文献

1)阪野和重,三木康弘,山内悠起子,他:バンコマイシンの血中トラフ濃度とMICによるMRSA肺炎治療の評価.TDM研究 27:158-162,2010
2)石坂敏彦,向井淳治,福島誠,他:血中濃度からみた抗MRSA薬の適正使用.日病薬誌 40:1125-1128,2004
3)松本哲哉:多剤耐性菌の世界と日本の現状.Pharm Med 29:19-23,2011
4)吉川耕平,長川隼也,園田美代子,他:糞便中におけるESBLとMBL産生腸内細菌科菌の検出状況.日臨微生物誌 24:9-16,2014
5)石井良和:家畜および食肉から分離されるESBL産生菌.Chemical Times 216:9-12,2010
6)木村由美子,柳原克紀:多剤耐性菌の検査と臨床,ESBL産生菌.臨検 56:884-890,2012
7)厚生労働省健康局結核感染症課:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について.健感発0909第2号,平成26年9月9日,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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