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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻7号

2015年07月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

キメラ遺伝子検出のためのFISH法のピットフォール—検査前に知っておきたいこと

著者: 井出裕一郎1

所属機関: 1信州大学医学部附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.614 - P.618

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はじめに

 FISH(fluorescence in situ hybridization)法は,細胞あるいは組織標本上で遺伝子・染色体異常を検出する方法として有用である.FISH法に用いるプローブには,大きく3種類(セントロメア特異的プローブ,領域特異的プローブ,染色体着色プローブ)がある.日常検査では主にセントロメア特異的プローブを用いて染色体の数的異常を検出したり,領域特異的プローブを用いて白血病やリンパ腫,そして軟部腫瘍における染色体転座を検出している.

 FISH法の手技1)は比較的簡便であり,陽性,陰性のシグナルパターンを理解していれば検査自体も容易である.しかしながら,これで本当にFISH法を理解しているといえるだろうか.プローブの添付書に記載されていない非典型的なシグナルパターンを呈したとき,どのように判定を行えばよいだろうか.本稿では,FISH法の結果を正しく理解するうえで知っておきたい重要なポイントとなる「転写方向と融合遺伝子の成り立ち」について解説する.

参考文献

1)水口國雄(編):Medical Technology別冊 最新染色法のすべて.医歯薬出版,pp227-230,2011
2)Alberts B, Bray D, Hopkin K, et al(著),中村桂子,松原謙一(翻訳):Essential細胞生物学,原書第2版.南江堂,pp235-236,2005
3)Eneroth M, Mandahl N, Heim S, et al : Localization of the chromosomal breakpoints of the t(12 ; 16) in liposarcoma to subbands 12q13.3 and 16p11.2. Cancer Genet Cytogenet 48:101-107,1990
4)Panagopoulos I, Höglund M, Mertens F, et al : Fusion of the EWS and CHOP genes in myxoid liposarcoma. Oncogene 12:489-494,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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