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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻7号

2015年07月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

病理検査におけるDNA鑑定を応用したコンタミネーション同定法

著者: 高田雄三1

所属機関: 1帝京科学大学医療科学部

ページ範囲:P.630 - P.635

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はじめに

 検査目的で人から採取した血液や組織などの検体は,その形態のみでは誰のものであるか識別できない.そのため,間接的に容器に名前やIDを記載することで,検体が誰のものであるかを特定している.一般的な検査情報は,病気の診断には有用であるが,個人を特定するための情報は有していない.何らかの原因によって,検体が誰のものであるかわからなくなった場合には,検査情報から個人を特定することは困難である.一方,個人を構成する細胞は全て同じDNA情報をもっているが,たとえ血のつながった家族であっても,おのおので異なるDNA情報(DNA型)を有している.そのため,異なる由来の組織や細胞同士がコンタミネーションを起こした場合,検査情報からおのおのを識別できないが,DNA型であれば識別が可能となる.すなわち,DNA鑑定によってコンタミネーションの同定が可能であるといえる.

参考文献

1)高田雄三,加藤法男:DNA鑑定を応用した病理検査でのコンタミネーション同定法.病理技術 71:68-71,2008
2)高田雄三,向田政博,小林賢:PCR法によるホルマリン固定臓器からの遺伝子型判定の試み.DNA多型 1:23-26,1993
3)高田雄三,向田政博:日本人におけるミトコンドリアDNA多型(第1報).犯罪学雑誌 62:42-47,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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