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雑誌文献

検査と技術43巻8号

2015年08月発行

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トピックス

アルブミン尿とABIの関連性(2型糖尿病患者における末梢神経障害の評価)

著者: 廣瀬あゆみ1 渡邉恒夫2 加納克徳1

所属機関: 1加納内科・リウマチ科・糖尿病内科クリニック 2岐阜大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.670 - P.672

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アルブミン尿とABIの関連性とは

 近年,2型糖尿病患者は増加の一途をたどっており,糖尿病の本態のみならず,合併症を早期発見・治療することは,わが国にとって重要な課題であると考えられる.これらの糖尿病合併症が,それぞれが単独で進行するのではなく,相互に関連していることは以前より言及されており1),特に同じ細小血管障害である腎障害,ひいてはその指標であるアルブミン尿〔A/C(urinary albumin creatinine ratio)〕は,末梢神経障害と明らかな関連性が指摘されている2,3).一方で,ABI(ankle brachial index)は一般に広く知られる末梢動脈疾患の指標であり,これらの引き起こす虚血は末梢神経障害の原因の一つである.

参考文献

1)佐藤譲:糖尿病性神経障害の疫学.日臨 70:428-432,2012
2)Kärvestedt L, Mårtensson E, Grill V, et al : Peripheral sensory neuropathy associates with micro-or macroangiopathy : results from a population-based study of type 2 diabetic patients in Sweden. Diabetes Care 32:317-322,2009
3)Tesfaye S, Stevens LK, Stephenson JM, et al : Prevalence of diabetic peripheral neuropathy and its relation to glycaemic control and potential risk factors : the EURODIAB IDDM Complications Study. Diabetologia 39:1377-1384,1996
4)和田龍一,八木橘操六:糖尿病合併症の病理 末梢神経障害.病理と臨 24:734-739,2006
5)八木橋操六:糖尿病性神経障害の簡易診断基準と病期分類の試み.末梢神経 16:79-85,2005
6)Yasuda H, Sanada M, Kitada K, et al : Rationale and usefulness of newly devised abbreviated diagnostic criteria and staging for diabetic polyneuropathy. Diabetes Res Clin Pract 77(Suppl 1):S178-S183,2007
7)廣瀬あゆみ,渡邉恒夫,鍋谷洋介,他:臨床検査データからみた2型糖尿病患者における末梢神経障害の評価:アルブミン尿とABIの関連性.臨病理 62:538-545,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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