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文献詳細

雑誌文献

検査と技術43巻8号

2015年08月発行

文献概要

オピニオン

研究者としての臨床検査技師の可能性

著者: 斉藤邦明12

所属機関: 1藤田保健衛生大学大学院保健学研究科医療科学イノベーション 2京都大学大学院医学研究科人間健康科学

ページ範囲:P.714 - P.715

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はじめに

 臨床検査技師教育は,専門学校,短期大学での教育から大学,大学院教育に大きくシフトし,高度医療専門職や研究者の卵を養成している施設が増えている.臨床検査技師の活躍の場は,最近では,医療機関のみならず行政や企業まで非常に幅広い.取り扱う検査対象は必ずしも人に限定する必要はなく,動物,食品関係を含めて極めて広く,医学生物全般の幅広い教育を受けた臨床検査技師の活躍できる職域は多い1).さらには,医師中心の医療からチームで支える医療への変遷に加えて,医師の臨床研修必修化によって,基礎医学を志す医師の人材が減少しており,基礎医学を支える人材育成を医療系学部でホールディングする時代となっている.科学研究者になるために,医療職の資格は一部の臨床研究を除けば必要ない.しかし,臨床検査技師は後述する病態科学的思考を教育されているので研究者として有利なフィールドもあり,自分自身に独創的なアイデアがあり,自由に研究できる環境があれば,日夜研究に打ち込めばよい.しかし,科学研究者を目指しながら,実際はルーティン業務に携わっている中途半端な人がたくさんいることも事実であり,自分自身が何を目指しているのかをよく考えることが必要である.

参考文献

1)斉藤邦明:夢ある未来の臨床検査学教育と研究.臨床検査学教育 1:129-132,2009
2)桜井雅史,松尾雄志,村上由希,他:データヘルス計画とはなにか 健康管理のデータベース化と解析手法.医療と検機器・試薬 37:437-441,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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