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臨床医からの質問に答える
尿沈渣検査にフローサイトメトリーが応用されていると聞きましたが,どの程度進んでいるのですか?
著者: 油野友二1
所属機関: 1北陸大学新学部設置準備室
ページ範囲:P.802 - P.807
文献購入ページに移動フローサイトメトリー(FCM)とは
サイトメトリーとは,試料中の成分を数秒から数分という短時間に光や蛍光色素などを利用して1個ずつかつ多量に測定する方法であり,その測定装置をサイトメーターと呼んでいる.この方法は,短時間に多くの細胞数を測定し,同一条件での反復測定ができ,目的とする成分集団によるクラスター分析が可能などの特徴がある.クラスター分析とは,異なる性質のものが混ざり合っている集団のなかから互いに似たものを集めて集落を作り,対象を分類しようという方法の総称である.
サイトメトリーにもいくつかの方法があるが,そのなかの1つがフローサイトメトリー(flow cytometry:FCM)法である.FCM法は,懸濁させた試料を,リン酸生理食塩水などによる液流(シース流)を用いて,その中の細胞を1個ずつセンサーによる測定部位に導き,高速で散乱光と蛍光などを測定する方法である(図1)1).
サイトメトリーとは,試料中の成分を数秒から数分という短時間に光や蛍光色素などを利用して1個ずつかつ多量に測定する方法であり,その測定装置をサイトメーターと呼んでいる.この方法は,短時間に多くの細胞数を測定し,同一条件での反復測定ができ,目的とする成分集団によるクラスター分析が可能などの特徴がある.クラスター分析とは,異なる性質のものが混ざり合っている集団のなかから互いに似たものを集めて集落を作り,対象を分類しようという方法の総称である.
サイトメトリーにもいくつかの方法があるが,そのなかの1つがフローサイトメトリー(flow cytometry:FCM)法である.FCM法は,懸濁させた試料を,リン酸生理食塩水などによる液流(シース流)を用いて,その中の細胞を1個ずつセンサーによる測定部位に導き,高速で散乱光と蛍光などを測定する方法である(図1)1).
参考文献
1)油野友二:UX2000 Clinical Case Study,シスメックス社,2014
2)特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会フローサイトメトリーワーキンググループ,血液検査標準化検討委員会:フローサイトメトリーによる造血器腫瘍細胞表面抗原検査に関するガイドライン(JCCLS H2-P V1.0),2003(http://www.jccls.org/techreport/ftc_h2pv1.pdf)(2015年6月16日アクセス)
3)特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会フローサイトメトリーワーキンググループ,血液検査標準化検討委員会:フローサイトメトリーによるCD34陽性細胞検出に関するガイドライン(JCCLS H3-P V1.0),2007(http://www.jccls.org/techreport/fct_h3pv1.pdf)(2015年6月16日アクセス)
4)藤永周一郎,金子一成,山城雄一郎,他:尿沈渣鏡検法による血尿評価の問題点 全自動尿中有形成分分析器・UF-100との比較を加えて.日小児腎臓病会誌 13:39-42,2000
5)血尿診断ガイドライン編集委員会(編):血尿診断ガイドライン2013,2013(http://www.jsn.or.jp/guideline/pdf/hugl2013.pdf)(2015年6月16日アクセス)
6)中川弘子,油野友二,伊藤機一:尿中細菌検出における核酸染色を用いたフローサイトメトリー法による尿中有形成分情報の有用性.臨病理 57:221-227,2009
7)兵藤透,熊野和雄,酒井糾:全自動尿中有形成分分析装置(UF-100)搭載血尿由来鑑別診断基準の妥当性の評価.泌外 9:767-770,1996
8)Offringa M, Benbassat J : The value of urinary red cell shape in the diagnosis of glomerular and post-glomerular haematuria. A meta-analysis. Postgrad Med J 68:648-654,1992
9)Nagahama D, Yoshiko K, Watanabe M, et al : A useful new classification of dysmorphic urinary erythrocytes. Clin Exp Nephrol 9:304-309,2005
10)特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会尿検査標準化委員会:尿沈渣検査法JCCLS GP1-P4(案),2010(http://www.jccls.org/techreport/07_20101221_2.pdf)(2015年6月16日アクセス)
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