検査と技術44巻10号

2016年09月発行

増刊号 はじめて出会う　検査画像 2章　血液

2　ATL診断の鍵—花細胞

著者： 長谷川寛雄¹

所属機関： ¹長崎大学病院検査部

ページ範囲：P.862 - P.865

Key Sentence

■HTLV-1キャリアは必ずしも減少しておらず，都市圏に拡大する傾向がある．

■花細胞（flower cell）の出現は成人T細胞白血病（ATL）診断に直結する特徴である．

■ATL細胞の形態はflower cellのような細胞ばかりではなく，多彩である．

■キャリアの多い地域では異常リンパ球をよく観察する必要がある（図1）．

参考文献

1）「本邦におけるHTLV-1感染及び関連疾患の実態調査と総合対策」研究班：HTLV-1キャリア指導の手引，2011（http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/htlv-1_d.pdf：最終アクセス2016年7月7日）

2）Shimoyama M : Diagnostic criteria and classification of clinical subtypes of adult T-cell leukaemia-lymphoma. A report from the Lymphoma Study Group (1984-87). Br J Haematol　79（3）：428-37，1991

3）日本血液学会：造血器腫瘍診療ガイドライン，2013年版．第Ⅱ章-Ⅱ-8　成人T細胞白血病・リンパ腫（adult T-cell leukemia-lymphoma：ATL）（http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_8.html：最終アクセス2016年7月7日）

4）魚住公治：ATL細胞の形態学．渡邉俊樹，上平憲，山口一成（編）：HTLV-1と疾患．文光堂，pp30-41，2007

5）牟田正一，福田勝，花田修一：成人T細胞白血病（ATL）の細胞判定基準の検討．日検血会誌　17：7-15，2016

6）三輪史朗，渡辺陽之輔：血液細胞アトラス，第5版．文光堂，p209，2004