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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻11号

2016年10月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

血栓性血小板減少性紫斑病

著者: 森下英理子12 林朋恵3

所属機関: 1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科病態検査学 2金沢大学附属病院血液内科 3金沢市立病院血液内科

ページ範囲:P.1080 - P.1087

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Point

●原因不明の血小板減少と微小血管性溶血性貧血(MAHA)を認めた場合,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を疑うことが重要である.ADAMTS13活性を測定し,10%未満に著減していればTTPと診断し,抗ADAMTS13自己抗体が陽性であれば後天性TTP,陰性であればUSSを疑う.

●従来はMAHA,血小板減少,腎機能障害,発熱,動揺性精神神経症状の5徴候を示すものをTTPと診断していたが,現在は5徴候全てそろわなくてもTTPを疑う.

●MAHAの検査所見としては,ヘモグロビン(Hb)12g/dL未満の貧血,破砕赤血球の出現,間接ビリルビン,LDH,網状赤血球の上昇,ハプトグロビン(Hp)の著減,直接クームス(Coombs)試験陰性を認める.

参考文献

1)藤村吉博,松本雅則,石西綾美,他:血栓性血小板減少性紫斑病.臨血 55:93-104,2014
2)Matsumoto M, Bennett CL, Isonishi A, et al : Acquired idiopathic ADAMTS13 activity deficient thrombotic thrombocytopenic purpura in a population from Japan. PLoS One 7 : e33029, 2012
3)Crawley JT, Scully MA : Thrombotic thrombocytopenic purpura : basic pathophysiology and therapeutic strategies. Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2013 : 292-299, 2013
4)難病情報センター:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(http://www.nanbyou.or.jp/entry/246)(2016年6月20日アクセス)
5)小亀浩市:TTPの分子診断.日血栓止血会誌 25:689-696,2014
6)小亀浩市,樋口(江浦)由佳:Upshaw-Schulman症候群のADAMTS13遺伝子解析.細胞 46:61-63,2014
7)吉田瑶子,松本雅則:補体関連因子の異常によるaHUS.臨血 56:185-193,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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