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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻11号

2016年10月発行

臨床医からの質問に答える

呼気中NO濃度と呼気中NO肺胞成分(alveolar NO)の臨床的意義の違いについて教えてください.

著者: 松本久子1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学

ページ範囲:P.1104 - P.1107

文献概要

はじめに

 ぜんそくは気道の慢性炎症性疾患で,6〜7割のぜんそく患者では好酸球性炎症を主体とします.一酸化窒素(nitric oxide:NO)は健常人においても呼気中に検出されますが,特に好酸球性気道炎症時には,誘導型一酸化窒素合成酵素(inducible nitric-oxide synthase:iNOS)の発現が亢進するためNOの産生が増え,ぜんそく患者では呼気中NO濃度が上昇しやすくなります.ぜんそく管理における呼気中NO濃度の有用性が確立され,NIOX MINO®(販売終了機器),NIOX VERO®(図1a)1),NO breath®(図1b)2)による呼気中NO濃度測定が,近年保険収載されました.

 本稿では,この呼気中NO濃度と,より末梢の気道・肺胞分画由来のNO成分を反映する呼気中NO肺胞成分(alveolar NO)について説明します.

参考文献

1)チェスト社ホームページ(http://www.chest-mi.co.jp/)(2016年6月8日アクセス)
 カタログ(http://medical.haradacorp.co.jp/contents/down_pdf/nobreath.pdf)(2016年6月8日アクセス)
3)一ノ瀬正和,相澤久道,秋山一男,他:呼気NO(一酸化窒素)測定ハンドブック—喘息診断の新しいツール.厚生労働科学研究費補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業 気道炎症モニタリングの一般臨床応用化:新しい喘息管理目標の確立に関する研究班,2011
4)日本呼吸器学会ホームページ:トピックス・お知らせ 呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定器の適正使用に関する注意事項の掲載について(http://www.jrs.or.jp/modules/information/index.php?content_id=689)(2016年6月8日アクセス)
5)松本久子:専門医のためのアレルギー学講座—喘息診療における呼気中NO肺胞成分(alveolar NO)測定の意義.アレルギー 61:760-769,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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