文献詳細
臨床医からの質問に答える
呼気中NO濃度と呼気中NO肺胞成分(alveolar NO)の臨床的意義の違いについて教えてください.
著者: 松本久子1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
ページ範囲:P.1104 - P.1107
文献概要
ぜんそくは気道の慢性炎症性疾患で,6〜7割のぜんそく患者では好酸球性炎症を主体とします.一酸化窒素(nitric oxide:NO)は健常人においても呼気中に検出されますが,特に好酸球性気道炎症時には,誘導型一酸化窒素合成酵素(inducible nitric-oxide synthase:iNOS)の発現が亢進するためNOの産生が増え,ぜんそく患者では呼気中NO濃度が上昇しやすくなります.ぜんそく管理における呼気中NO濃度の有用性が確立され,NIOX MINO®(販売終了機器),NIOX VERO®(図1a)1),NO breath®(図1b)2)による呼気中NO濃度測定が,近年保険収載されました.
本稿では,この呼気中NO濃度と,より末梢の気道・肺胞分画由来のNO成分を反映する呼気中NO肺胞成分(alveolar NO)について説明します.
参考文献
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