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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻11号

2016年10月発行

Q&A 読者質問箱

塗沫細胞診標本の固定液は,なぜ,ホルマリンではなく,エタノール固定なのですか?

著者: 磯崎勝1

所属機関: 1小田原市立病院病理診断科

ページ範囲:P.1108 - P.1111

文献概要

Q 塗沫細胞診標本の固定液は,なぜ,ホルマリンではなく,エタノール固定なのですか?

A 哺乳類の組織内に存在する細胞の構成成分比は,水が70%,次いで蛋白質が18%を占める.それ以外に,RNA,DNAおよびリン脂質などが数パーセントの比率で存在している.固定とは,主に組織の蛋白質に対して化学的あるいは物理的に作用し,蛋白質の腐敗や自家融解を停止させ,形態を保持する役目を担っている.通常,塗沫細胞診標本の固定にはアルコールが用いられるわけだが,その理由を述べる前に,アルコールによる固定とホルマリンによる固定の原理の差について理解する必要がある.

参考文献

1)Christopher KM, van Holde KE, Dean RA, et al : Biochemistry, 4th edition. Pearson Canada Inc, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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